『10』に代表されるように、サッカー界においてもたびたび話題として取り上げられるのが、各選手の背負う背番号だ。ここではサンフレッチェ広島の選手に特化し、時代を彩った名選手の足跡を背番号と共に振り返る。

1995年までサンフレッチェでプレーした風間八宏氏。キャプテンとしてもチームをまとめあげた。

◆歴史に刻まれた1993年5月16日のゴール

 サンフレッチェの背番号の歴史を振り返る連載となれば、最初に取り上げる番号はこれしかない。

『8』である。

 サンフレッチェで初めて背番号8をつけたMF風間八宏は、Jリーグの歴史にも名前を刻んでいる。1993年5月16日、広島で行われたJリーグ最初の試合、ジェフユナイテッド市原戦の開始1分に決めた先制ゴールは、クラブの初ゴールであると同時に、Jリーグにおける日本人選手初ゴールでもあった。

 大学卒業後にドイツに渡ってプレーしたのち、1989年に帰国してサンフレッチェの前身、マツダSCに加入。Jリーグ開幕当初はボランチの一角で活躍し、キャプテンとしてもチームを引っ張った。1994年にはサントリーシリーズ(ファーストステージ)優勝の立役者の一人となっている。

 名前に『八』の字が使われており、本人も『8』への思い入れは強いようだ。自身のSNSアカウントには『8』が入っているし、個人事務所も『8』にちなんだ名称になっている。1997年の現役引退後は指導者や解説者として活動し、サンフレッチェとの直接のかかわりはないものの、クラブの歴史を語る上で欠かせない存在だ。