プロ野球・広島東洋カープ、サッカーJ1リーグ・サンフレッチェ広島、バスケットボールB1リーグ・広島ドラゴンフライズなどのプロスポーツチームをはじめ、バレーボール、ラグビー、バドミントンなど数多くのスポーツチームが存在する“スポーツ王国”広島県。

 ここでは、広島県が令和2年4月に立ち上げた『スポーツアクティベーションひろしま(通称:SAH)』の代表・神田康範氏が発起人となり、「広島スポーツと地域密着」をテーマに広島プロスポーツ界の各OBを招いて実施された座談会の模様を全3回でご紹介する。

 気になるゲストは・・・元広島東洋カープの天谷宗一郎氏、元サンフレッチェ広島の森﨑浩司氏、元広島ドラゴンフライズの岡崎修司氏の3名に加え、広島で長年スポーツ実況アナウンサーとして活躍する坂上俊次氏(RCC中国放送)が司会進行役となった。

  第1回目の今回は、それぞれが考える広島スポーツ界、愛されるチーム、さらに地域密着の重要性をテーマに、5人が語り合った内容をお送りします。

◆広島はスポーツ王国! 試合日が重なるとメディアの取り合いに!?

坂上 今回はスポーツアクティベーションひろしま(以下、SAH)の神田康範代表が発起人であるスペシャル座談会にお集まりいただきありがとうございます。まずお伺いしたいのですが、広島スポーツ界を、各チームOBのみなさんはどのように見ておられますか?

森﨑 広島で生まれ育ったので、スポーツが盛んな街だと理解しています。ただ、各チームの連携で言うと、『もっとあってもいいのに』と思います。引退後、天谷さんや岡崎さんらとお仕事をさせていただく機会が増えたことで、他競技出身のみなさんとの交流が増えましたね。

天谷 現役時代には個人的にサンフレッチェ広島で活躍した槙野智章選手(現浦和)や広島ドラゴンフライズでも活躍した仲摩匠平選手(現スリストム広島)らと仲良くさせていただいていました。僕自身も野球解説者になって、メディアを通じてスポーツ関連のお仕事をさせていただく中で、まだまだ知らないチームがあったことを知りました。もっと知っていきたいと思いますし、全体の認知度を上げていくべきだと思います。

広島プロスポーツチームOB代表として座談会に参加した、カープOB天谷宗一郎氏(左)、サンフレッチェOB森﨑浩司氏(中央)、ドラゴンフライズOB岡崎修司氏(右)

坂上 現役時代に他競技の選手と交流する中で、プラスになった事はありますか?

天谷 やはり考え方も違いますし、物の見方、アプローチの仕方も違います。ですが、競技は違えどスポーツという枠では一緒ですから、考え方などでは参考にさせていただきました。

【「スポーツアクティベーションひろしま」って、どんな組織?】

坂上 岡崎さん、ドラゴンフライズは現在B1リーグで戦っている最中ですが、2月にはカープの練習試合、サンフレッチェの開幕戦、ドラゴンフライズの試合中継がかぶってしまう日もありました。この状況をどのように感じていましたか?

岡崎 各チームのつながりという反面、その日だけで言うと取り合いのような状況でしたよね(笑)。ただ、そういう状況を考えると、広島はスポーツを観る環境が身近にあるとすごく感じています。たくさんチームがありますが、その一歩目さえ入ってしまえば、定着しやすい県民性というか、そういう雰囲気と文化があるのではないかと、広島で生まれ育った人間としてはそう感じますね。

坂上 屋外スポーツの野球やサッカーが盛り上がる中で、アリーナスポーツのバスケットボールも入ってきました。そういう意味ではスポーツを楽しむバリエーションも豊かになりましたよね。

岡崎 見る方々のライフスタイルで楽しみ方も変わってくるでしょうね。たとえば日焼けしたくない方は屋内で見られるバスケットボールとか(笑)。そんな風にいろんな選択肢が増えるのは良いことですよね。

神田 みなさんのお話をお聞きしていると、やはり広島はスポーツチームがたくさん存在していると感じます。各スポーツチームでの連携という意味では、先ほどからお話しに挙がっているように、メディアの取り合いはあるかもしれないと思いますね(笑)。