ドラ1右腕の栗林良吏が新守護神に抜擢された。ルーキーで開幕守護神を託されるのは、2003年の永川勝浩以来18年ぶり。奇しくも同じ背番号20を背負った男と同じルートで、プロでの第一歩を踏み出すこととなった。ここでは栗林の今後を占う意味でも、永川のルーキーイヤーを当時の言葉と共に振り返ってみたい。

フォークボールを武器に1年目から結果を残した永川勝浩・現カープ一軍投手コーチ

 球団史上初の自由獲得枠として入団した永川は、小山田保裕の故障離脱によりルーキーイヤーながらクローザーを託された。だが亜細亜大でのリリーフ登板はほぼなく、本人も先発志望だったという。

「ただ入団する時には、もう先発としてではなく中(中継ぎ)だろうなという予感がありました。オープン戦で中継ぎとか、たまに抑えとかやって、そこで手ごたえをつかんだような気がします。自分のフォークがどこまで通用するかという不安もありましたが、オープン戦で結果が出たので(6試合8イニングを無失点で2セーブ)、『何とかいけるのでは』と思うようになりました」

 その言葉通りに開幕2戦目で初登板初セーブを挙げると、4日後には初勝利をマークした。しかし、3試合目の巨人戦(4月6日・広島)でプロの洗礼を浴びることになる。1点リードの8回から登板したものの、被安打4、与四球2で4失点し2/3回でノックアウト。初セーブ、初勝利の次は、プロ入り初の黒星だった。

 だが、永川はこの1敗では崩れなかった。4日後の横浜戦(4月10日)に登板すると、与四球1だけの3奪三振を奪い2セーブ目をマーク。4月終了時点で1勝5セーブを記録するなど、“新守護神”の座を不動のものにしていった。