4月2日から4日の日程で『第1回栃木さくらカップ2021〜フリーの部〜』が開催された。連日熱戦が繰り広げられるなか、決勝戦に駒を進めたのはエイジェック女子硬式野球部と埼玉西武ライオンズレディース。1点を巡る白熱の攻防は延長10回、ライオンズレディースがタイブレークを制し、記念すべき第1回大会の優勝チームとなった。

フリーの部に続き、高校生の部が開幕。開志学園高と作新学院高が好ゲームを繰り広げた。

◆フリーの部に続き高校生の部が開幕

 フリーの部に続き、4月5日から栃木県のエイジェックさくら球場にて『第1回栃木さくらカップ2021〜高校生の部〜』が開幕した。3月7日には、『女子野球PRデー』として開催されたカープとヤクルトのオープン戦(マツダスタジアム)で広島県立佐伯高校女子硬式野球部の選手が始球式を行なったように、年を追うごとに男子だけではなく女子野球も盛り上がりを見せている。

 始球式の前日には一般社団法人全日本女子野球連盟から『女子野球タウン』として認定された広島県廿日市市で、侍ジャパン女子代表の選手とOGが野球教室を開催。教室には広島県立佐伯高校、MSH医療専門学校の女子硬式野球部の部員だけではなく、公募で集まった約100人の野球少女が参加した。

 指導にあたったのは日本代表OGで、現在は指導者を務める片岡安祐美(茨城ゴールデンゴールズ監督)と小西美加 (京都文教大学総監督)。そして現役代表選手の三浦伊織と坂東瑞紀 (ともに阪神タイガースWomen)の4名。豪華な指導者たちを前にして、広島の野球少女たちが一心不乱に白球を追いかけた。

 女子野球の全国的な普及が見られるなか、さらなる競技発展を目指し開催されている『第1回栃木さくらカップ2021』。高校生の部には作新学院高等学校(栃木)、作新メヴィウス(栃木)、開志学園高等学校(新潟)、クラーク記念国際高等学校(宮城)、岩瀬日大高等学校GBC(茨城)の5チームが出場した。

 2019年8月に行われた“女子の甲子園”こと全国高等学校女子硬式野球選手権大会で初優勝を果たしている作新学院高は、北関東出身の選手たち中心に今大会では2チームがエントリー。開志学園高は、オリックス・ バファローズの漆原大晟選手の兄・漆原大夢監督が就任以降、各大会で好成績を残し、『第22回全国高等学校女子硬式野球選抜大会』で優勝するなど、勢いに乗っているチームだ。

 大会会場の駐車場で、一際目立つ“東北楽天ゴールデンイーグルス柄“の大きなマイクロバスから登場したのはクラーク記念国際高の選手たち。日本では初となるプロ野球球団と提携して女子硬式野球部を設立したチームである。

 茨城県からエントリーした岩瀬日大高は、2019年に創部したばかりのフレッシュなチームだ。監督を務めるのは男子野球部でも監督経験がある箱根崇行氏。「野球が盛んな茨城県は“野球がしたい女の子”がたくさんいます。彼女たちの窓口になりたい」と語るなど、今後も女子野球の発展に尽力していく考えを示している。