さまざまなシーンで活躍する衣服といえばTシャツだ。プロ野球界もそれは例外ではなく、今では多種多様なデザインのTシャツが生み出されている。その中でもカープはプロ野球界で初めて、ユニホームではなくTシャツを着用しての練習を開始。そんなTシャツにまつわる小ネタを、箸休め的に紹介する。

2016年、新井貴浩氏の2000安打達成目前につくられたオリジナルTシャツ。背中には「まさか あのアライさんが…。」の文字が。

<練習用Tシャツ>
『それ行けカープ〜若き鯉たち〜』や『カープ坊や』など、カープが初優勝を果たした1975年はそれまでなかった新しいものが続々と誕生した。帽子やヘルメットが赤くなっただけでなく、カープ坊やを胸にあしらった練習用Tシャツも、この年の夏から登場している。

「真夏の太陽が照りつける中での練習を少しでも涼しくするため」というのが採用の理由で、ちゃんと背番号も入っていた。ただ、この練習用Tシャツの色は赤ではなく白だった。ちなみにTシャツなどユニホーム以外での練習をスタートさせたのは、この年のカープが12球団の中で初である。

<レプリカ>
 しばらくしてカープは球団ロゴマーク入りTシャツを発売したが、当時はジュニアサイズのみだった。大人がユニホームに近いデザインのTシャツを着て応援するという動きが生まれたのは、サッカーのJリーグが誕生しスポーツ観戦の際のファッションが普及した1990年代から。カープもこの頃から選手が着用しているユニホームや、練習用Tシャツのレプリカも発売するようになった。