栗林良吏が抜群の安定感で、開幕からの連続無失点記録を更新し続けている。ここでは新守護神としてチームの勝利に貢献する、ドラ1右腕の声をお届けする。

開幕からの連続試合無失点記録(17試合)を更新し続けている栗林良吏投手。これまでの記録はソフトバンクの甲斐野央投手が2019年にマークした13試合だった。

◆役目を全うしてやるという気持ちしかありません

─社会人では先発として投げてこられ、春季キャンプ中は先発なのかリリーフなのか役割が明確に決まっていませんでした。栗林投手がクローザーで投げることを意識し始めたのはいつ頃ですか?

「それは考えていませんでした。チームの勝利に貢献したい、一軍で活躍したい。そういった気持ちで自主トレ、キャンプと過ごしてきて、その結果、チームからクローザーのポジションを与えてもらっているだけなので、クローザーへの意識はありませんでした。たまたまオープン戦で結果が出てポジションを与えてもらっただけです。ですが、今は強く意識していますし、絶対に役目を全うしてやるという気持ちしかありません。やるしかないと腹を括っています」

─永川勝浩投手コーチもプロ1年目からクローザーに抜擢され結果を残されました。クローザーとして投げるうえで永川投手コーチからどういったアドバイスがありましたか?

「フォークボールの使い方もですが、メンタルを整えるという意味で準備の大切さは何度も教えていただきました。今年は特別ルールの関係で、クローザーが投げるのは9回とほぼ決まっています。登板が回ってくる順番は分かっているので、最終回から逆算して、ルーティンなどを含めてしっかり準備していこうということをアドバイスいただきました。打たれたらチームの勝ちも先発投手の勝ちも消える可能性が出てくる責任感のあるポジションなので、最低限準備だけはしっかりしようと心に決めています」

─重圧という面ではドラフト1位というプレッシャーも感じる時があるのではないかと思います。そういった期待とはどう向き合っていますか?

「いまはドラフト1位の重圧は全くありません。クローザーを任された以上、自分が抑えたらチームが勝ち、同点の場合だとチームは負けません。チームに黒星をつけないのが自分の役目です。負けをつけられない重圧はもちろんありますが、頼もしい先輩方がたくさんいるので、バックを信頼し、チームメートやファンのみなさんの思いを力に変えて、チームの勝利に貢献していきたいと思っています。重圧と捉えるのではなく、“期待に応えたい”という意識でマウンドに上がるように心がけています」