新型コロナウイルス陽性判定者がチームから多数発生し、予期せぬ激震に見舞われたカープ。主力選手を欠くなか、交流戦に突入したチームの現状を、カープOBの笘篠賢治氏が考察する。

持ち味の打撃で、打率.423(6月1日終了時点)と好調をキープしている中村奨成選手。

◆4年目・中村奨成は守備に集中できる環境作りも必要

 先週から交流戦が始まり、カープもなんとか試合ができるようになりましたが、やはり主力を欠いた中で苦しい戦いが続いています。とはいえ、野手陣は交流戦でのチーム打率.302(6月1日終了時点)と頑張っています。

 中村奨成は6月1日の日本ハム戦で途中出場して2安打を放ち、打率.423と好調をキープしています。5月30日のロッテ戦では、5番捕手としてクリーンアップを任されました。

 ただ、個人的には捕手としての将来を考えたら、まだ上位打線に置かないほうがいいのかなとも思います。野手として育てたいのであれば問題ないのですが、正捕手として育てていくには、今はマスクを被ることに重点を置きながら打たせたいところです。

 結果として5月30日の試合では、5盗塁を許してしまいました。これは投手だけの責任ではなく、中村奨も意識しないといけないところです。特に肩に自信のある選手ですからね。将来を考えると、守備に集中できる環境作りが必要かもしれません。

 捕手といえば、5月27日の西武戦で磯村嘉孝が今季初安打をマークしました。しかも、開幕からずっと無失点投球を続けている平良海馬からあわや本塁打というフェンス直撃の二塁打。みんなが苦しめられている平良の高めの球を上手に打っていたので、自信を持っていいと思います。これをきっかけに調子を上げてほしいですね。