本日、開幕した東京五輪。8月8日までの17日間にわたり、世界中が注目するスポーツの祭典が行われる。カープとサンフレッチェからは5選手が出場。夢の舞台で、世界一を目指した戦いを繰り広げる。ここでは、広島から翔く5選手を紹介する。

侍ジャパンに選出された森下暢仁(右)投手と栗林良吏投手。

◆野球日本代表・侍ジャパン・鈴木誠也

 名実ともにカープの顔となり、日本代表の主軸に成長した鈴木誠也。プロ野球選手として大きな飛躍を遂げた2016年以降、攻守で数々の勲章を獲得し、侍ジャパンには2016年オフに初めて選出。2017年にはWBCのメンバーにも選べれ、外野のポジションを任されてきた。

 侍ジャパンの稲葉篤紀監督は就任以降、日本の4番として鈴木を数多く起用してきた。日本代表のメンバーをみると、チームで主軸を担っている選手が数多くいるものの、代表での実績を考えると、東京五輪でも4番としての期待がかかる。

 背番号は、若き頃に背負っていた「51」。広島が誇るスラッガーが、大舞台でどんな活躍を届けてくれるか、楽しみに見守りたい。

◆野球日本代表・侍ジャパン・菊池涼介

 豊富な国際大会経験を持つ菊池涼介が、東京五輪でも順当にメンバーに名を連ねた。

 今回のメンバーには、菊池を含めて山田哲人(ヤクルト)、浅村栄斗(楽天)と、セカンドをメインポジションにする選手が3選手いるが、過去大会での起用法や守備力を考えると、菊池のセカンド起用はほぼ間違いなさそうだ。また、今季の菊池は開幕から打撃が好調。犠打や右打ちなど、いぶし銀の打撃も得意とするだけに、攻撃面でも期待がかかる。

 過去に何度となく日本を救ってきた美技、そして、堅実さと意外性を併せ持つバッティングが、悲願の金メダル奪取に欠かせない。

◆野球日本代表・侍ジャパン・森下暢仁

 プロ1年目の昨季は10勝3敗、防御率1.91で新人王を獲得。今季も開幕から2年目のジンクスとは無縁の投球を見せ、東京五輪の出場権を手にした。

 今回の投手陣をみると、先発陣に不安がある。当初、先発投手の軸として考えられていたのは、田中将大(楽天)、大野雄大(中日)、菅野智之(巨人)の3人だったが、菅野が代表を辞退し、田中と大野も、今季はベストな状態とは言いづらい。それだけに、今季先発した13試合のうち12試合でクオリティ・スタートを達成するなど、先発として抜群の安定感をみせている森下にかかる期待は大きい。

 プロ2年目ながら投手としての完成度の高さは一級品。広島の背番号18が、世界の強豪を相手にどんな投球をみせてくるれるか、期待がかかる。

◆野球日本代表・侍ジャパン・栗林良吏

 開幕から抑えを任され大車輪の活躍。その活躍が認められ侍ジャパンに選出された。

 侍ジャパンでも、カープ同様にリリーフとして起用されることが予想される。栗林の一番の武器はフォークボール。現役時代、同じくフォークを得意とした永川勝浩一軍投手コーチのアドバイスをもとに、持ち球に磨きをかけた。球の力強さに安定した制球力で、前半戦34試合のうち31試合で三振を奪う高い奪三振力も兼ね備えているだけに、他の投手の状態次第では、クローザーとしての起用も考えられる。

 プロ初登板から14試合連続無失点のプロ野球新記録など、数々の記録を打ち立てるルーキーイヤー。東京五輪をきっかけに、新たな称号が加わることを期待したい。

◆サッカー U-24日本代表・大迫敬介

 サンフレッチェ広島の守護神が、世界で躍進するチャンスを得た。

 名立たる強豪校で知られるサッカー王国・鹿児島の出身。トップ昇格を果たしたプロ2年目で一気に覚醒した。J1リーグではクラブ新記録となる5試合連続無失点をマーク。正GKの座を勝ち取ると、U-23、そして日本A代表にも選出された。

 今回のU-24日本代表では、第2GKという難しい役割を担うことが予想されるが、出番が巡ってきた際には、大迫の強みである的確なコーチング、攻めのスタイルを忘れないプレーで、力を発揮してもらいたい。