後半戦の巻き返しを図るうえで、チーム力の底上げは不可欠。実績のある主力は復調を、若手は成長を遂げることができるか。一軍昇格を目指し鍛錬を続ける堂林翔太を取材。目標に向かって歩みを止めない背番号7の姿を届ける。

カープ・堂林翔太選手

◆鍛錬の日々を糧に

 プロ11年目の昨季、8年ぶりに規定打席に到達し、キャリアハイの打撃成績を残した堂林翔太。打撃が開花し長年固定できなかったサードのポジションをつかんだかに見えた。

 しかし、レギュラーとして期待された今季、開幕からスタメン出場を続けるも、思うように結果を残せず、4月下旬からは試合途中からの出場が増えた。次第に打席数は減っていき、打率も1割台に低迷。6月21日に二軍降格となった。

「一軍では打席に立つチャンスが少なかったので、二軍では試合の中での対応力をあげていきたいと思っています」

 真夏日のような暑さの6月下旬。由宇球場では、東出輝裕二軍打撃コーチと打撃練習に取り組む堂林の姿があった。6月の一軍の試合、抹消されるまでの21日間で堂林が打席に立ったのはわずかに5回。打席に立つ機会が少なかっただけに、堂林の姿は試合に出れる喜びを感じているようにも見えた。

「コーチと話したのは打撃の基本的なことです。打席に立ったらまずはしっかりと打ちにいくことを考えようと。相手投手との勝負を第一に考えないといけないので、今はそこにしっかりと取り組もうと話していただきました」

 一軍のサードでは高卒3年目の林晃汰が結果を残しチャンスをつかみつつある。堂林がブレイクを果たしたのも高卒3年目。貪欲に練習に取り組む姿勢は共通しているようにも感じる。

「まだ数試合しかやっていないので正直手応えはないです。とにかく結果を残してアピールするしかありません」

 持ち味である打撃でこの壁を乗り越え、一軍首脳陣の信頼を勝ち取る快進撃をもう一度みせてほしい。