東京五輪による中断期間までのリーグ戦を7勝9分6敗の9位で終えたサンフレッチェ広島。ここではサンフレOBの吉田安孝氏が、独自の目線で選んだ、月間(6月19日〜7月11日)MVP&ベストゴール&ベストゲームを紹介する。

サンフレッチェ広島・柏好文選手

◆[月間MVP/柏好文]「攻守にわたり切れ味が鋭く、ピーク時のような凄みを感じる」

 3バックに戻してからチーム全体がうまく機能していますが、特に柏がイキイキしています。左サイドから中に切り込んでいって、シュートあり、ドリブルありと、まるで水を得た魚のよう。

 ドリブルから鋭く切り返すという柏のプレーの形は、相手も分かっているはずなのですが、それでも止められない。そういうスタイルを持っていることが、柏の強みだと思います。柏戦(○1-0)では佐々木へ、鳥栖戦(△1-1)では突破した後にサントスへと、いずれの試合でも得点に絡んでいるという結果が好調の証。キャプテンシーを示すプレーを見せてくれている佐々木と、どちらをMVPにするか悩んだのですが、攻守にわたり切れ味が鋭く、ピーク時のような凄みを感じる柏に決まりです。

◆[月間ベストゴール/VSサガン鳥栖戦の1ゴール目:サントス]

 ボールを奪い返してからのショートカウンターという、今季やろうとしているサッカーをみせてくれました。後半戦はサントスが点を取っていかないと上位に食い込むことはできません。この試合で、流れの中から得点できたのは大きいでしょうね。

◆[月間ベストゲーム/J1リーグ第18節(6月19日):VS柏レイソル]

 惨敗を喫した天皇杯から3日後の試合だったので、いつも以上に勝利への気迫に満ちた内容でした。球際や運動量などでも勝り、圧倒的にゲームを支配していましたね。選手がイキイキとプレーしている試合は、やっぱり観ていてワクワクします。