準々決勝でニュージーランドを破り、ベスト4進出を果たした東京五輪サッカー日本代表。サンフレッチェ広島からはGK大迫敬介が選ばれ、53年ぶりのメダル獲得を目指すチームを支えている。

 大迫はプロ2年目の若干19歳で、サンフレッチェ広島の正GKの座を手に入れ、その後A代表を経験。ここでは、年代別代表の常連となっている大迫が、今年の5月に本誌の独占インタビューで語った声を厳選して取り上げ、広島から世界を見据える思いに迫る。

サンフレッチェ広島・大迫敬介選手。

◆偉大な先輩の背中を見て成長

―GKは競争がシビアなポジションです。2019年に公式戦デビューして以来、順調に出場機会を重ねましたが、2020年には林卓人選手とのポジション争いの末、前年より出場機会を減らしました。そして、今シーズンは再びスタメンに起用されています。

「(林)卓人さんは、僕が試合に出ているときもずっと良い準備をされています。結果が出なければ、僕ではなく卓人さんが起用されるはずです。どちらが出てもおかしくない中で、常に緊張感を持って切磋琢磨できているので、良い競争が生まれているのだと思います。また、普段から、増田(卓也)さん、川浪(吾郎)さんを含めて、4人のGKのグループで、良いトレーニングができています」

―林選手はプロ21年目のベテランです。大迫選手にとってどんな存在ですか?

「キャリアのある先輩がそばにいてくれるというのは、僕にとって良い影響しかありません。長く現役でプレーされ、さまざまな経験を積んだ先輩と一緒に練習ができるのは最高の環境です」

―林選手からアドバイスをもらうことはありますか?

「卓人さんは口数が多いというより、プレーで示してくれるタイプの人です。僕はその背中を見ながら、学ぶべきところはしっかりと学び、自分の武器にしていきたいと思っています。僕もチームや周りに良い影響を与えられる存在でいたいと思っているので、尊敬しています」