カープに在籍した6年間で57勝をあげたクリス・ジョンソンが現役引退を決断した。ここでは、リーグ3連覇に貢献し、数々の実績を残したジョンソンが紡いだ言葉を、独占インタビューをもとに振り返る。

 今回は来日3年目の2017年。歴代カープ助っ人投手の中で、最も頼れる最強左腕の素顔に迫った企画を振り返る。(『広島アスリートマガジン』2017年5月号掲載)

カープに在籍した6年間で57勝をあげたジョンソン投手。

◆先発投手陣のリーダーとして

―2年連続開幕投手を務められますが、決まったときの心境はどのような感情でしたか?

「緒方(孝市)監督から直接言われたときは、非常に光栄なことだと感じました。開幕投手に指名されたうれしさ以上に、2年連続で開幕投手に選ばれたことに責任を感じました」

―今季はセ・リーグのチャンピオンチームとして迎えるシーズンとなりますが、どんな意識ですか?

「基本的には変わらないですね。昨シーズン、もしも自分にとって課題のあるシーズンであったならば、違った気持ちと試みを持って今シーズンに臨まなければならなかったかもしれません。しかし昨季はチームが優勝し、自分も安定した成績を残すことができました。そういう意味でも、昨季と同じ気持ちで今季に臨んでいきたいと考えています」

―昨季限りで黒田博樹氏が引退され、ジョンソン投手は先発陣の中では最年長となります。若い投手たちを引っ張りたいという気持ちもあるのではないですか?

「もちろんその部分は自覚を持って野球に取り組んでいます。自分が年齢を重ねて年上になってきていますし、若い選手たちの見本になれることを意識しています。球場での振る舞いだけではなく、球場外での態度も自分自身の人となりとして見られると思うので、さまざまな面で注意しながら生活していきたいと思っています」

―練習では若い投手と良い雰囲気でコミュニケーションを図っている印象があります。

「それも意識してやっていますね。自分も年齢を重ねてきている中で、年上の人間が若い人をいろいろと助けるというのが人として必要なことだと考えています。若い選手から質問などがあれば、いつも答えようと意識していますし、あとは練習から楽しむことです。楽しむことでいろんな選手がリラックスして野球に取り組めるのではないかと思っています」