駒大苫小牧高の田中将大、八重山商工高の大嶺祐太ら同世代の好投手がしのぎを削る中、カープは迷うことなくPL学園高の前田健太をドラフト1位で指名した。後に球界を代表するエースとなる本格派右腕の、プロ1年目の声をお届けする。
(広島アスリートマガジン2007年3月号掲載)

 

野球を始めたのはいつですか?
前田健「小3の時です。幼なじみで、いつも遊んでいた友達に誘われて始めました。小1からサッカーをやっていて、野球はもともとあまり好きじゃなかったんです。その頃はカズ(三浦知良)さんとか武田(修宏)さんとかに憧れていて、夢も『サッカー選手』と書いていました。誘われたから野球を始めた、という感じです。投手は小4から、肩が強かったという理由で始めました。チームではエースになって、西日本大会で優勝したのをよく覚えています」

中学進学後はボーイズリーグで全国ベスト4になり、ブラジルでの世界大会では日本選抜として優勝、MVPを獲得しました。
前田健「世界大会で全勝優勝しMVPにもなれたので、すごくうれしかったですね。チームも熱いチームで、いろいろな選手たちとつながりが出来たのも良かったです」

高校はPL学園高に進学します。理由は何でしたか?
前田健「中学校の時の監督が、PL学園高野球部出身の方だったんです。その監督に言われたのが、『甲子園に出たいんだったら、地方の出やすい高校に行けばいい。プロや、高いレベルを目指すならPLにしろ』ということでした。この頃はあまり甲子園というものに興味がなく、プロが一番大きな夢だったので、迷わずPLを選びました。もちろん、高校に入ってからは甲子園が一番の目標になりましたが、この頃はあまり。それ以上にプロへの思いが強かったです」