8月26日の試合から4連勝を飾るなど、カープらしい戦いが続いている。打線のキーマンとして期待される選手たちの状態について、カープOBの笘篠賢治氏に聞いた。

得点力アップのカギを握る小園海斗選手。

◆鈴木・坂倉が一番の得点源。そこにどうつなげるか

 8月31日のDeNA戦で連勝はストップしてしまいましたが、やっと打線につながりが出て、これぞカープという攻撃を見せてくれています。まだまだAクラスまでのゲーム差は開いていますが、少しずつ光が見えてきたかなという感じです。

 攻撃陣をみると、一番・野間峻祥が調子をキープしていて、二番・西川龍馬も状態が上向きつつあります。そして、なんといっても四番・鈴木誠也と五番・坂倉将吾のコンビ。長打も期待できるだけに、2人が一番の得点源になってくれています。

 鈴木と坂倉。何かいいネーミングをつけてあげたいところです。意外とこういったネーミングが大事だったりするんです。昔だと横浜大洋ホエールズの「スーパーカートリオ」、阪神タイガースの「F1セブン」などですね。そのネーミングをメディアが報道し、それが拡散されていくと、対戦相手も少しは意識すると思うんです。ファンのみなさん、良いネーミングがあれば教えてください。

 また、會澤翼の復帰も大きいですね。8月29日の阪神戦でスタメン復帰し、最初の打席でヒットが出て、捕手として完封リレーに貢献しました。會澤がいるとチームが落ち着いて見えますよね。さすがというところを見せつけてくれました。

 林晃汰も、下位に座り、自分のスイングをすることを意識させることで、また伸び伸びと打ち始めてくれることでしょう。チームとして得点が取れていないとプレッシャーは大きいですからね。阪神の佐藤輝明なんかもそうです。他の打者が打っていたら問題なかったのですが、周りが打てなくなってくると、責任感からか焦りが生まれ、「自分のせいだ」と思い込んでしまうものです。

 菊池涼介も打撃の状態が上がってきています。8月24日の巨人戦、9回に追い上げのチャンスのところで、菊池に代打・坂倉を出した場面がありました。前半戦では見られなかった思い切った采配を佐々岡監督がみせましたが、菊池からすると悔しさもあったと思います。ただ、そこからスイングやボールの捉え方など、内容が良くなってきたように感じます。一時期は疲れも見えていましたが、段々と数字も良くなっていくはずです。

 あとは小園海斗。数字を見たら本当によくやっていると思います。ただ欲を言えば、“走者一塁の場面”で、サインが出ていない時の打撃は、もう少し工夫がほしいですね。一、二塁間に引っ張っる打撃ができるようになってほしいのですが、器用にやろうとしすぎているのかもしれません。引っ張れなかったとしても、三遊間に強いゴロを打つだけでも状況は変わっています。小園の場合、足がありますから併殺打になる可能性は少ないはずです。これからもスタメンでの出場は続いていくでしょうから、もう一回り成長してくれることを期待したいと思います。