塹江敦哉が春先から猛アピールを続けている。中継ぎとしてオープン戦、練習試合で積極的に起用されると、首脳陣の期待に応えて防御率1点台をキープした。先行きが不透明な状況が続くなか、期待の速球派左腕が気持ちを切らすことなく調整を続けている。

プロ6年目を迎える今季、練習試合で結果を残し続けた塹江敦哉投手

 期待の和製左腕として毎年のように期待をかけられながら、塹江はプロ初登板を経験した16年以降は長らく一軍の舞台から遠ざかっていた。制球が安定せず痛打を浴びるシーンが目立ち、制球力の安定が課題となっていた。それでも周囲に支えられながら、地道に課題と向き合った。

「150キロを投げてもコントロールが悪くて、追い込まれて甘い球を打たれるという、そういう自分のイメージを払拭したいという思いもありました。(小林)幹英さん(現三軍投手コーチ強化担当)や菊地原さん(二軍投手コーチ)につきっきりで見てもらって、だんだんと良い球が投げられるようになりました。やってきたことが一軍で出来なかったらこれまで協力してくれていた人たちを悲しませてしまうと思ったので、自分がやってきたことを見せるということを意識していました。そのままやってダメなら仕方ないと思ってやってみたら3試合連続で結果が出たので、そこは自信になりました」

 昨季7月に一軍昇格すると、中継ぎとして2016年以来の登板を果たした塹江。7月に登板した3試合はいずれも無失点と結果を残した。その後再び二軍落ちとなったものの、シーズン終盤には再び一軍昇格し自己最多となる11試合に登板。わずかな登板数ではあったが、塹江は確かな自信をつかみ始めていた。