セ・リーグ首位のカープは今日から昨年の覇者・ヤクルトと2連戦を戦う。OBの笘篠賢治氏に、これまでの戦いを見て感じた、今季の攻撃の形について語ってもらった。

今季は2番打者として活躍を続ける菊池涼介(今年の春季キャンプで撮影)

◆佐々岡監督のコメントにも見える変化

 今季のカープの攻撃を振り返ると『犠打』が目立っています。リーグで断トツの数字(4月11日時点で22)です。

 特に2番の菊池涼介にしっかり送らせる形がよく見られます。昨季の犠打数が2つだけだったのを考えると、その差は歴然でしょう。犠打を成功させたあとは、ベンチの雰囲気が引き締まっているようにも見えます。

 コツコツつないで1点にこだわる姿勢が、今年のカープの象徴ですよね。仮にあと1本が出ずに得点につながらなかったとしても、しっかりとチャンスをつくることができています。

 新外国人選手のマクブルームにも1発が出ましたし、打線はしばらくの間、あまり手を加えなくてもいいのではないでしょうか。

 3番の小園海斗は少し結果が出ていませんが、打席でのタイミングのとり方は悪くはありません。フライが多いので、ライナー性の打球をもう少し見たいというのもありますが、状態的にそこまで悪いわけではないので、現状の3番のまま、打順を変える必要はないのかなと思います。

 そして、今年は佐々岡監督の試合後のコメントも変わってきていますよね。4月6日の巨人戦で、先発で好投していた床田寛樹から8回に中崎翔太に継投して、逆転弾を浴びて負けたときも「失敗したら自分の責任」と言われていました。

 難しい判断だったと思いますが、このようなコメントが出てくるというのは、しっかりと采配をしているという裏付けでもありますし、監督の変化を感じられます。そういう部分を含めて、良いチームになってきていると思いますね。