リーグ3連覇時、カープ打線不動のリードオフマンとして活躍した田中広輔。2016年からの3連覇の主力として活躍し、選手会長も経験した背番号2は、ここ数年は故障の影響もあり不本意なシーズンを送っている。

 開幕から好調な戦いを展開していたチームは、若手選手の躍動もあり6月27日時点でリーグ3位。プロ9年目を迎えた実力者は、若手を支え続けながら復活に燃えている。(取材は4月下旬)

6月28日時点では二軍での調整中が続いている田中広輔。完全復活が待たれる。

◆今季はいろんな意味で、良い経験ができている。

ー7月で33歳となりますが、日々の準備という面では、年々変化はありますか?

「年々疲れが抜けにくくなってきているなと感じる部分がありますね。若いときは、やればやるほどいろんな事を得られることができました。ですが、今はコンディショニングが完璧に整わなくなってくる中で、うまく考えながら準備をしています。その日その日によって状態も違いますし、より体を気にしながら準備に臨んでいます」

ー選手会長を経験されるなど、長年チームを牽引されていますが、若手選手との接し方に変化はありますか?

「これまで以上にうまく接していかなければいけないと思う部分はありますね。もちろん、ある程度引き締めていかないといけない部分もあると思っています。そういう意味では、うまく頃合いを見ながら若手選手と接していきたいと思っています」

ー今シーズンからは同期入団でもある大瀬良大地投手が選手会長となりました。どのような印象を持っていますか?

「そうですね、大地の場合は投手という立場もありますし、大変かもしれないと思いながらも僕からお願いしたんですが、快く引き受けてくれました。本当に頑張ってやってくれていますね。もちろん、先発投手である大地は毎日いるわけではないので、野手である僕がうまく支えていきたいと思いますし、若い選手のみんなはもっとチームを思って行動しなければならないと思います。また堂林が副会長ですが、そういうチームを引っ張る立場になって、自覚を持ってくれたことはうれしいですね」

ー話題は変わりますが、今シーズンから、共にプレーをされた鈴木誠也選手がメジャーで活躍を見せています。どのような思いで見ていますか?

「活躍ぶりはもちろん見ていますし、記事もチェックするようにしています。誠也の活躍は本当にすごいと思いますし、僕自身、良い刺激をもらっています。1人のファンとして見ている部分もありますし、『誠也ならやってくれるだろう』という気持ちがありました。楽しみながら誠也の活躍を見せてもらっています」

ー最後に、今後の意気込みを聞かせてください。

「今季はいろんな意味で良い経験をさせてもらっています。その中で少ないチャンスを1つでも多くモノにして、チームに貢献できるように頑張っていきたいと思います」

田中広輔(たなか こうすけ)
■1989年7月3日生、神奈川県出身
■171cm・84kg/右投左打
■内野手/プロ9年目・32歳
■東海大相模高-東海大-JR東日本-広島(2013年ドラフト3位)