V奪回、そして悲願の日本一に向けて出航した佐々岡カープの見どころとは!? 全7回にわたりカープOB・笘篠賢治氏に2020年の注目ポイントを聞いていく。第4回目の今回笘篠氏が注目するのは、カープのエース・大瀬良大地について。開幕戦から完投勝利をもぎ取るなど、期待が高まるエースの今季を占ってもらった。

毎年試行錯誤しながら、着実にレベルアップしている大瀬良大地。今季は完投数と共に勝ち星を伸ばす活躍を期待したい。

◆「大瀬良の完投により、中継ぎ負担を減らすことが終盤の戦いの鍵を握る!」

 やはりカープ先発陣の大黒柱は大瀬良大地投手で間違いありません。練習試合では不安定な部分が見え隠れしたこともありましたが、彼については、ある程度続けて実績も残していますし、そこまで大きく成績を落とすことはないのではないかと思っています。

 昨季の大瀬良投手は勝ち星をなかなか伸ばすことができず、チームのエースとしては若干物足りない数字でした(11勝)。私の見解としては、昨季の投球フォームはしっくりきていない印象を受けました。上半身と下半身がうまく連動できていないというか、しっかり力が伝わらずに苦労していたように思います。

 今季キャンプの時点では、昨季よりも力のある球を投げ切れていたと思います。問題は開幕が決まってからの調整期間の中でしっかりとその球を取り戻すことができるのかという点です。もちろん他の投手も同じ条件なわけですし、エースであるならば、多少調子が悪い状態でもチームに勝利を届けてほしいと思います。

 いずれにせよ、今季はこれまでにないシーズン、具体的に言えば連戦が続くシーズンとなります。そうした時に先発投手がいかに長いイニングを投げきれるか、つまりリリーフに負担をかけすぎない戦いができれば後半戦必ず有利になってきます。昨季両リーグ最多完投を記録した大瀬良投手がどれだけの完投数を記録するのかが、今から楽しみです。