今季の新人王有力候補の森下暢仁投手。カープOB・笘篠賢治氏が感じる、森下投手の強みとは!? 今季の見どころの最重要ポイントと言っても過言ではない、黄金ルーキーについて語る。

森下暢仁が新人王受賞となれば、カープでは2014年の大瀬良大地以来6年ぶり。

◆「球の力は一級品! 細かいことを考えず強気に攻めてほしい!」

 練習試合最後のソフトバンク戦では打ち込まれてしまった森下暢仁投手ですが、投げている球の力強さは一級品です。練習試合ではキャッチャー側があえて球種を絞って投球をさせているような印象を受けました。実戦に入れば、キャッチャーの攻め方も変わってくるでしょうし、そこまで大きな心配はしていません。逆に言えば、森下投手の場合ルーキーですし、成績を残す上でキャッチャーのリードが大きな要素となってくるように思います。

 投げている球は世代でもトップクラスなだけに、カープは彼に新人王を取らせなければいけないとまで思っています。新戦力が台頭するとチームに勢いが出ますし、V奪回のためには森下投手が活躍できるかどうかが重要になってきます。

 森下投手の投球において私が気に入っているのは、右打者のインコース、左打者のアウトコースをしっかりと突くことができている点です。個人的にはあれだけの球の勢いを持っている投手ですし、細かなコースを要求するのではなく、球の力を信じてグイグイ押し込み、ストライク先行の攻めの投球を期待したいところです。

 ブルペンでの投球をみれば、やはり大きな期待を抱いてしまう投手であることは間違いありませんが、あくまでもルーキーですし、要求しすぎるとパンクしてしまいます。経験して覚えることもありますし、将来のカープを担う人材だからこそ、あたたかな目で見守っていってほしいですね。