カープが4カード連続のビジターゲームを、5勝5敗1分の五分の成績で乗り切った。直近の試合がサヨナラ負け、しかも順位を落としたことで重苦しい空気も漂うが、敵地の連戦で5割ならばまずまずの滑り出しと言っていいだろう。

 開幕からの4カードで、負け越したのはヤクルト戦のみ。本日から本拠地のマツダスタジアムに戻ることも加味すれば、良い意味での切り替えを期待したいところだ。

カープOBの大野豊氏は、早い段階から今季の課題としてリリーフ陣の再構築を掲げていた。

 カープOBの大野豊氏も、開幕戦から続くビジターゲームの重要性を説いていた。開幕から5カード連続で負け越し最後まで波に乗り切れなかった昨季の例もあるだけに、開幕ダッシュの失敗は即致命傷にもなりうる。その意味でも今季の滑り出しは、及第点ともいえる内容だった。

「今季は143試合制ではなく120試合制での開催になります。1試合の重みが増すだけに、スタートはやはり大事になります。練習試合のころはお世辞にも雰囲気が良かったとは言えないだけに、最初の遠征期間でいかに良い雰囲気をつくり出せるかが重要になります。私としては、まずはそこに注目していました」

 大野氏がポイントとして挙げた遠征帰還は無難に乗り切った。だが、懸念材料として当初から指摘していたリリーフ問題は、課題が上積みされた状態だ。

「先発の大瀬良大地、森下暢仁、九里亜蓮、遠藤淳志あたりの状態は決して悪くないですし、若手でいえば塹江敦哉が良い状態をキープしています。とはいえ、最後まで残っていたリリーフ陣の課題は今も解消されていません。思えば期待されたフランスア、岡田明丈の状態が上がらず、開幕直前になっても勝利の方程式が定まりませんでした。最終的には練習試合で結果を残したスコットが抑えに抜擢されましたが、ブルペン陣のレベルアップ、底上げが図れなかったことがシーズン全体に、どのような影響を及ぼすか。現時点では、そこが一番気になるところです」