現役時代は先発、中継ぎ、抑えとフル回転。コーチ時代も含めカープ一筋23年の野球人生を歩んできた佐々岡真司が、カープの新監督に就任して早半年以上が経過した。過去に例を見ないシーズンを送るなか、佐々岡監督が掲げるビジョンとは何なのか? 監督就任直後のインタビューをもとに、改めて佐々岡カープの方向性を探っていく。
(2019年12月号掲載)

温和な人柄で知られる佐々岡監督だが、勝負に対する厳しさも持ち合わせている。

 アマチュア時代からライバルである中日・与田剛監督と、監督として対戦することになります。やはり、意識される部分はありますか?

 「選手のときはドラフト同期入団でもありますし、与田さんはライバルとして意識していましたよね。先日ドラフトのときも挨拶をさせてもらいましたが、対戦はすごく楽しみです。もちろん与田監督だけではなく、他球団の監督も同世代が多くて、僕と同じ新監督の高津(臣吾)監督、阪神の矢野(燿大)監督、巨人の原(辰徳)監督、DeNAのラミレス監督と僕が現役時代に対戦を重ねてきた監督ばかりです。僕はルーキー監督として戦っていくわけですが、同じ世代の監督でライバルとして戦えるというのは楽しみですよ」

 投手陣に求めていきたいことは、コーチ時代と変わらないのでしょうか?

 「考えは変わらないですね、現在は先発、中継ぎ、抑えと球界は分業制が定着しています。その中でやはり先発投手には中5日、6日と登板間隔が空く中で責任があります。毎日ブルペンに入るリリーフ陣の大変さというのも分からないといけませんし、ここ数年では50~70試合登板するリリーフ投手がいるのは当たり前になってきています。その中で先発投手は登板間隔を空けて調整をするわけですからね。勝つためには、1年間の中で当然継投が必要になってきますが、まず先発には1イニングでも多く投げてもらいたいです。長いイニングを任されるというのは、信頼の証でもありますから。またリリーフ陣の強化も大事になってきますよね。日本一になったソフトバンクの投手陣を見ていると、6回以降には150キロ以上の球を投げるパワーピッチャーが揃っていて、それが今の野球では当たり前になってきています。そう考えるとリリーフ陣の中に1人でも多くのパワーピッチャーをつくっていかなければいけないとも思っています」