好調な打撃を維持し、今やカープ打線になくてはならない打者として存在感を示す堂林翔太。開幕から約1カ月が経過しようしている7月13日現在、セ・リーグトップの打率.414を記録するなど、最高のスタートを切っている。
 
 プロ11年目にしてついにその真価を発揮しようとする背番号7は、2012年の一軍デビュー以来どのような道のりを歩んできたのか? ここでは、苦悩の最中にいた2014年の反省、そして2015年シーズンに向けた意気込みを語ったインタビューを改めて振り返っていく。
(『広島アスリートマガジン』2015年2月号掲載)

プロ11年目にして覚醒の雰囲気を漂わせる堂林翔太選手。

◆いろいろな悔しさを味わった2014年

― 2014年シーズンを一言でいうと、どんなシーズンでしたか?
「やはり『悔しい』の一言ですね。試合に出られない時期もありましたし、いろいろな経験ができたシーズンだったと思います」

― シーズン序盤は、一番でのスタメン出場が続きました。あまりなかった打順だと思いますが、好調な打撃が続きました。
「もともと僕は思い切って振っていく打撃スタイルですが、一番だからといって自分が不利な状況であれば良い結果も生まれません。しかし塁に出るということを意識しやすい打順なので、いつも以上に思い切った打撃ができたことは確かですね。良い結果は残っていましたが、どこかで自分は一番タイプではないという気持ちもありました」

― 一番に定着して結果を残されていましたが、2014年5月8日のヤクルト戦(神宮)で右手薬指を骨折してしまいました。
「打った直後はケガの原因もよくわからない感じでしたし、調子が良かっただけに、ああいう形で一軍を離れることは悔しかったですね。骨折せずにあのまま試合に出続けることができていたら、調子が良かったかどうかはわかりませんが…ずっと試合に出ていたかった思いが強かったですね」