プロ3年目の2012年に一軍デビューを果たし、14本塁打を放つなどブレイクしたカープ堂林翔太。翌年以降もスタメン定着が期待されたが、目の前に立ちはだかる一軍の壁は想像以上に分厚かった。

 しかしながら、今季は春先から好調をキープし6年ぶりに開幕スタメンを勝ち取ると、規定打席以上の打撃ランキングで常に上位を維持し続けている。ここでは堂林と同じくスランプや不運の故障によって苦境に立たされながら、そこから再起を遂げた鯉戦士たちの復活劇を振り返る。

2017年に123試合に出場。チームトップの打率.310をマークした安部友裕選手。

◆安部友裕 合言葉は“覇気”! 10年目で規定打席到達の遅咲きの花

【2014年成績】3試合/3打数/打率.333/1安打/0本塁打/0打点
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【2017年成績】123試合/455打数/打率.310/128安打/4本塁打/49打点

 3連覇の主要メンバーである野村祐輔、菊池涼介そして田中広輔など1989年度組の中でも最も早くからプロ入りを果たしていた安部友裕。高校生ドラフト1巡目で指名を受けた大器は、ライバルたちに遅れをとったものの、長い下積みを経て唯一無二の存在感を身につけた。

 2014年まで守備面の不安定さが課題となっていたが、チームがリーグ優勝を果たした2016年に出場試合数を飛躍的に増加させると2017年は自らに発破をかける“覇気”の合言葉と、気合いを前面に押し出したプレーで活躍。

 下位打線のみならず、時には5番も打つなど、首脳陣からの期待に応えた上で初の規定打席に到達、さらにチームトップの打率.310をマークするなど、自己最高の成績を記録した。