入団1年目にプロの壁にぶつかり、2年目は故障や死球を受けての戦線離脱など不運も重なった。2017年の夏の甲子園で一躍スターとなった中村奨成だが、ここまでの道のりは決して平坦なものではなかった。

 しかし今季はウエスタン・リーグで好成績を残し、プロ3年目にして初の一軍昇格を勝ち取った。入団直後から指導を行ってきた朝山東洋一軍打撃コーチの目に、入団直後の中村はどのように映っていたのか? 黄金ルーキーを間近で見てきた同コーチの、当時の声をお届けする。
(『広島アスリートマガジン』2018年5月号掲載)

二軍打撃コーチ時代の朝山東洋コーチのアドバイスに耳を傾けながら、バットを振り込む中村奨成選手。

◆振る力は並の高卒選手を超えている

 中村奨成については、甲子園で素晴らしい活躍をし、ドラフト1位で入団したということだけあって周囲から強い期待をかけられています。そして彼自身その気持ちに応えようという思いもあるでしょう。しかし、まだ高校を卒業したばかりですし、課題はたくさんあります。

 もちろん素材としては非常に高い能力を持っています。まず第一に積極性があるところ。これは私を含めたコーチ陣が常々言っていることなのですが、とにかくファーストストライクを積極的に振っていけということです。

 最初はいろいろ考えすぎてまともにスイングができない選手も多いのですが、中村奨はまずしっかりとスイングする力があります。また、直球と変化球を織り交ぜながら攻められたとしても、比較的対応力があります。そうした意味で、打撃については並の高卒選手以上の力があると思います。