8月2日の巨人戦(東京ドーム)で、プロ初完投勝利を挙げた遠藤淳志。エースの大瀬良大地、クリス.ジョンソンがローテーションを外れるというアクシデントだけでなく、遠藤自身先発ローテの座を奪いながらも、不甲斐ない投球が続いていた。それだけにこの完投勝利での1勝はチームにとっても、そして遠藤にとっても大きなものとなったに違いない。

 高卒プロ3年目で初の完投勝利を挙げた遠藤だが、大学卒、社会人卒の投手と比べてプロ野球の世界で戦うための体づくりも要求される高卒投手にとって、わずか3年間で一軍で大きな結果を残すのは、並大抵のことではない。

 ここでは過去10年間、2010年ドラフト以降カープに入団選手した投手のうち、高卒投手を数名ピックアップし、彼らがどのようなプロ3年目を過ごしていたのかを振り返ってみる。

8月2日の巨人戦でプロ初完投をマークした遠藤淳志投手。

◆中﨑翔太・2010年ドラフト6位

 後にカープ球団史上初の3連覇に守護神として大きく貢献することになる中﨑だが、プロ3年目(2013年)は17試合に登板したうち、先発として起用されたのが11試合。当時は先発投手として期待をかけられていた。

 2013年4月12日の中日戦(ナゴヤドーム)でリリーフとして登板した試合でプロ初勝利を挙げると、6月8日の西武戦(マツダスタジアム)で、7回を無失点に抑える投球で先発勝利。この1勝をきっかけに、飛躍を期待された右腕だったが、シーズン終了まで7度の先発機会を与えられたがいずれも白星をつかむことができずにいた。翌2014年からブルペン要員として一軍に定着すると、以降は一度も先発のマウンドに上がることなく、リリーフ一本での勝負を続けている。

中﨑翔太・2013年成績[17試合/2勝7敗/60.1回/40奪三振/防御率5.82]