一時、調子を崩し掛けていたホセ・ピレラだが、ここへきて復調気配を見せている。ヤンキース、パドレス、フィリーズを経て、今季からカープに入団。メジャー通算302試合に出場したユーティリティープレーヤーは、広角に打ち分けるアベレージヒッタータイプながら本塁打も6本とパンチ力があるところも見せている。

 これまでにもカープには“メジャーを経験した野手”が、助っ人として多数来日している。ここでは2010年以降に在籍した外国人選手のうち、ピレラと同じ野手を数名ピックアップし、彼らの来日1年目の成績を振り返る。

球団外国人選手では史上3人目となる“開幕1番”を務めたピレラ選手。

◆ブラッド・エルドレッド・2012年-2018年
 2012年シーズンは、カープの主軸にとって受難の年だった。前年にベストナインに輝くなど主力として活躍していた栗原健太が、右肘の手術により戦線を離脱。後を継いだニック・スタビノアも、足を故障し6月中旬に登録を抹消された。

 その後、4番は岩本貴裕に託されたが、夏場に成績が急下降し二軍に降格。そんな状況下で、ニックに代わる大砲候補として白羽の矢が立てたれたのがエルドレッドだった。

 6月21日に入団が発表されると、8月からは岩本に代わり4番に定着。来日初アーチを放った8月4日から約2カ月間で11本塁打を記録した。来日当初から持ち味の長打力は際立っており、11本という数字は堂林翔太の14本に次ぐチーム2位の成績だった。

ブラッド・エルドレッド・2012年成績[65試合/225打数/59安打/11本塁打/35打点/打率.262]

◆キラ・カアイフエ・2013年-2014年
 菊池涼介、丸佳浩など新たな戦力の台頭が見られるなか、2013年のカープは大砲不足に悩まされていた。そこでチームはシーズン途中ながら、7人目の外国人選手となるキラ・カアイフエの獲得を発表。エルドレッド、廣瀬純らで回していた中軸に厚みを持たせた。

 圧巻なのは、今でも伝説となっている日本デビュー戦だ。7月9日からのDeNA3連戦で3試合連続本塁打を含む4本塁打という驚異的な数字を弾き出すと、その後は主に4番に座りシーズン40本ペースで本塁打を量産。丸佳浩と並びチーム最多となる14本塁打を放ち、1997年以来16年ぶりとなるAクラス入り、そして球団初のクライマックス・シリーズ進出に貢献した。

キラ・カアイフエ・2013年成績[66試合/224打数/58安打/14本塁打/45打点/打率.259]