思わず心を奪われる!カープの話題をゆる~くまったりと展開してくれる“オギリマワールド”。関東出身ながら中学生からカープファン。独自のタッチで描かれるイラストを交えたコラムでおなじみのオギリマサホが、広島アスリートマガジンWEBで、新たなカープの魅力を切り取る。今回は、中日・根尾昂のプロ初安打をきっかけにSNSで巻き起こった“あるテーマ”を取り上げる。

◆初物ランキングでカープが1位になった項目は・・

 今年8月11日、マツダスタジアムでの対中日戦。9回表の打席に立った中日の2年目・根尾昂が、DJ.ジョンソンからライト前ヒットを放った。昨年の一軍デビューから17打席目、これが根尾のプロ入り初ヒットとなったわけである。このヒットを受けて、SNSでは「カープは相手チームの“初〇〇”を献上することが多い」という意見が散見された。いわゆる「初物に弱い」ということだが、果たして本当にそうなのだろうか。疑問に思ったので、調べてみることにした。

 対象はセ・リーグの現役選手(交流戦や移籍選手のことを考えれば、本来両リーグの選手を調べた方がより正確ではあるのだが)。“初〇〇”と言っても、「初ノーヒットノーラン」もあれば「初併殺」といったようなものまでさまざまな種類があるが、クローズアップされやすい「初勝利」「初セーブ」「初安打」「初本塁打」の4項目に絞って見てみることにしよう。ちなみに、この4項目全てを達成しているセ・リーグの現役選手は、雄平(ヤクルト)、山井大介(中日)、能見篤史(阪神)、大瀬良大地の4名のみである。

 まずは「初勝利」。投手であればおそらく誰もが夢見るであろう、記念すべき一軍での一勝を挙げたセ・リーグの現役選手は158名。その初勝利を献上した相手チームを見ると、1位・阪神(26回)、2位・DeNA(24回)、3位・巨人(23回)、4位・中日(24回)、5位がヤクルトとカープでともに17回である(以下、7位・西武⦅9回⦆、8位・日本ハム⦅7回⦆……と続く)。つまり、カープは初勝利献上という点においては、全く「初物に弱くない」わけである。

 続いて「初セーブ」。ここでカープは1位に躍り出る(12回)。藤川球児(阪神)や山﨑康晃(DeNA)といった、球界を代表する抑え投手の初セーブもカープ戦で挙げられたものだ(念のため2位以下を示しておくと、2位・ヤクルト⦅8回⦆、3位・阪神、DeNA⦅7回⦆、5位・中日⦅6回⦆、6位・巨人⦅4回⦆……となる)。

 打者の成績に関してはどうだろうか。現役選手に「初安打」を許した回数は、1位・ヤクルト(46回)、2位・巨人(41回)、3位・広島(39回)、4位・DeNA(38回)、5位・中日(34回)、6位・阪神(31回)となる。

 「初本塁打」は、1位・DeNA(30回)、2位・広島(22回)、3位・阪神、ヤクルト(18回)、5位・巨人(16回)、6位・中日(15回)となった。