プロ6年目にして、塹江敦哉が一軍ブルペン陣に欠かせない存在へと成長した。開幕前から好調をキープし、現在もリリーフ陣の軸として存在感を示し続けている。

過去5年間で一軍での登板は14試合にとどまっていたが、今季はすでに倍の28試合を計上。塹江敦哉投手がキャリアハイの成績を更新し続けている。

 今季は最大の武器である直球が冴えわたり、自らの力で“勝利の方程式”入りを達成。頼れるセットアッパーとして、一心不乱に左腕を振り続けている。

 緊迫した状況下でのマウンドが増えるなか、着実にホールドを積み重ね防御率も2点台を推移。殻を打ち破った快速球左腕が、シーズン前半を振り返る。

◆本当に一球を大事にできるか? という意識が一番大切

─ 開幕から好投が続く中、7月24日のDeNA戦、7月28日の中日戦では今季初となる連続試合失点となってしまいました。

「DeNA戦はロペス選手に打たれたホームランでした。3点差の場面で、本当は1点も取られてはいけないんですけど、思い切って自分の球を投げた結果のホームランでした。ですが次の打者から気持ちを切り替えられたのは良かったと思います。あの日の自分にできるのは、ホームランを打たれた後にしっかり抑えることだけだったので、そこに集中できて良かったとプラスに捉えています。中日戦に関しては、ビシエド選手にタイムリーを打たれて、次の打者に四球を与えてしまったことが反省点ですね。そこは防げる部分だったと思いますし、その後にワイルドピッチでなければ逆転もされなかったかもしれないので。1つの進塁だったり、自分の1つのミスがチームの勝利に直結する場面で投げさせてもらえているというのを、しっかり自覚しないといけないと思いましたし、流れを渡さないために抑える方法をもっと突き詰めて考えていかなければならないと思います」

─ 特に24日のDeNA戦は、中継ぎとして初の3連投となりました。ご自身の投球に影響はありましたか?

「投げるとき自分ではそんなに意識していなかったんですが、後から周囲の方の話を聞くと、あまり球が走っていないと思うところがありました。これから連投もあると思うので、そういう反省を生かして準備していきたいと思います」

─ 開幕時点と比べると、投げる場面や役割も変わっています。マウンドでの意識に変化はありますか?

「今は意識は変わらずに投げていますけど、場面が変わってきているので、それに相応しい準備だったり、心構えというのも少しずついろんな経験をしながら、自分が良いと思える準備をしていきたいなと思っています」

─ 一軍に帯同し続け、登板数を重ねることで新たに学んだことを挙げるなら、どんなことですか?

「これまでと投げる場面が変わって落ち着きがなくなって失敗してしまうこともありますし、こういう展開で投げて何が大事か? を改めて考えることもあります。なので、今は単純に本当に一球を大事にできるか? ということを一番大切にしなければと感じさせられています」

─ 今後の目標を教えてください。

「1年間一軍で投げて、チームの勝利に1つでも貢献できるように頑張ります」