今季プロ2年目を迎えるカープ正隨優弥。右の長距離砲として期待されて入団するも、昨季は一軍に昇格することができなかった。しかし今季、二軍で地道に鍛錬を積み、9月6日に初の一軍昇格。9月8日には凡退に終わったものの、代打で一軍デビューを飾った。

ルーキーイヤーから春季キャンプ一軍入りを果たすなど、首脳陣からの評価も高い正隨優弥選手。

 そんな正隨に期待されるのは、かつて『同じドラフト6位でカープに入団』し、『広島出身の右の大砲』として一時代を築いた新井貴浩氏のような長距離砲だ。

 元カープ選手の祖父から受け継がれた“カープのDNA”を持つスラッガー・正隨の、ルーキーイヤーの声をお届けする。(『広島アスリートマガジン』2019年6月号掲載)

◆直球への対応には自信あり。課題は変化球

─ プロ1年目のシーズンが始まってから、ここまでの手応えはいかがですか?

「初めの方は右も左も分からない中で、オープン戦まで一軍に帯同させてもらって自分なりに必死にやっていたんですけど、なかなか思うように結果が出ませんでした。二軍が開幕して4試合目から出させてもらっていますが、二軍でも打率1割台ですからね……。ただ、少しずつですけど自分の中で良い感触を得てきているので、そこはどんどん伸ばしていきたいと思っています」

─ 打撃ではどんな部分で苦労されていますか?

「オープン戦までは長打を打てていましたが、今思うとあの時期は投手も調整段階だったんだと思います。仕上がってきた投手の球をなかなか捉え切ることができませんでした。個人的に直球への対応は自信もありますし、当初からある程度捉えることができていましたが、課題は変化球ですね」

─ プロの球に対応するために、打撃に変化を加えることなどはあったのですか?

「ずっところころと変えています。自分の中でもまだ打撃フォームが確立されていないので、他の打者を見て少しずつ良いなと思うところをどんどん取り入れています。逆に、どんどん変わってしまうところが自分の良くないところですね。少しでも早く『これだ』というところは、見つけていきたいと思います」

─ カープの練習については厳しいと感じますか?

「そこまでしんどいイメージはありませんね。最初の頃は、何もかも初めてで気疲れはもちろんありましたけど、極端な話、倒れこむようになるほどの練習や、これは耐えられないというほどの練習はありません。高校、大学としんどいところでやってきて、それのおかげかどうかは分かりませんが、少しは練習量に対する耐性があるかもしれませんね(苦笑)」