9月15日、カープ・九里亜蓮が6試合連続で完投していた中日・大野雄大に投げ勝ち、6回3安打1失点で今季4勝目を手にした。この日は初回から3者連続三振と文句なしの好発進。6回2死から一発を浴びたが、先発としての役割は十分に果たした。

シーズン序盤は苦しんだものの、後半戦に入り本来の投球を見せ始めた九里亜蓮投手。

 今シーズン、ここまでの道のりは順調だったわけではない。シーズン途中から先発に回った昨季までと違い、開幕から先発ローテーションを死守しながらも、不安定な投球で勝ち星が伸びず苦しんだ時期もあった。

 しかし今季は大半の試合で3点以上を献上しているものの、直近の2戦はソロ本塁打で失った1失点のみ。クオリティスタート(6回以上、自責点3以下)で試合をつくり、自身の2連勝につなげてみせた。

 九里が本来の投球を取り戻すなかで、同期の大瀬良大地が戦線を離脱した。当初はコンディション不良という理由のみの発表だったが、右肘の手術が明らかになったことで今季中の復帰は絶望的な状況となった。

「先発として1年間頑張っていた今季の大地の活躍を見て、僕も感じるものだったり刺激を受ける面はすごくありました。チームメートであり友人でもある僕としてはうれしいですし、選手としては刺激を受けています。」

 2018年のシーズンオフ、九里は大瀬良に対しての素直な心境をそう語っていた。同期入団、同学年としてプロ1年目から切磋琢磨してきた大瀬良の離脱に、思うところもあるだろう。

 昨季、チームが鬼門とする交流戦で2勝(その内の1勝は自身初完封)を挙げたように、これまでもチームが苦しい時期に印象的な投球を展開してきた九里亜蓮。左右の両エースを欠く今、熱投右腕のさらなる快投に期待が高まる。