2017年からドラフトでは中村奨成、小園海斗と2年連続で高卒野手を1位指名したカープ。2019年ドラフトでは佐々岡真司新監督たっての希望で大学ナンバーワン右腕の獲得に乗り出した。ここでは、改めて森下暢仁の単独指名に成功した2019年ドラフトを振り返っていく。

投打ともにバランスの良い補強に成功したカープの2019年ドラフト。

 前年に続き高校生に人気が集まった2019年のドラフト。野手では石川昂弥(東邦高)が3球団、投手では佐々木朗希(大船渡高)に4球団、奥川恭伸(星稜高)に3球団の指名が重複した。

森下暢仁投手

 11球団が1巡目で高校生を指名するなか、カープは事前に森下暢仁(明治大)の指名を公言。佐々岡真司新監督が強く希望する形で、大学ナンバーワン右腕の獲得に乗り出した。

 高校時代にU18W杯日本代表に選手され、明治大では4年時から主将を務めリーグ優勝に貢献。また同年の全日本選手権で明治大を38年ぶりの優勝に導き、最優秀投手賞も受賞した投手だけに複数球団による争奪戦が予想されたが、蓋を開けてみればまさかの一本釣り。カープファン、そして関係者を驚かせた。

宇草孔基選手

 即戦力右腕の獲得に成功したカープは、2位でも俊足巧打の宇草孔基(法政大)の交渉権を獲得。プロ1年目から二軍で好成績を残し、一軍昇格後はスタメン出場を重ねる中でプロ初安打、打点、盗塁などを記録した。

木下元秀選手

 高卒投手の3位の鈴木寛人(霞ヶ浦高)と6位の玉村昇悟(丹生高)は、プロ1年目は体力強化をメインに調整。一方で高卒野手の4位・韮澤雄也(花咲徳栄高)と育成2位の木下元秀(敦賀気比高)は、ウエスタン・リーグで50試合以上の実戦経験を積み重ねている。

 激戦区の捕手枠では5位の石原貴規(天理大)と育成1位の持丸泰輝(旭川大高)が、一軍昇格を目指し二軍で奮闘中。近年のカープはプロ2年目選手の台頭が目立つだけに、来季に向けて早くも新たな若鯉の飛躍に期待が高まっている。

【2019年 カープドラフト指名選手】
1位:森下暢仁(明治大・投手)
2位:宇草孔基(法政大・外野手)
3位:鈴木寛人(霞ヶ浦高・投手)
4位:韮澤雄也(花咲徳栄高・内野手)
5位:石原貴規(天理大・捕手)
6位:玉村昇悟(丹生高・投手)
育成ドラフト1位:持丸泰輝(旭川大高・捕手)
育成ドラフト2位:木下元秀(敦賀気比高・外野手)
育成ドラフト3位:畝章真(香川オリーブガイナーズ・投手)