11月11日、カープの2020年シーズンの全日程が終了。中日戦(マツダスタジアム)に敗れ、2011年以来9年ぶりの5位が確定した。

今季からカープ一軍監督に就任した佐々岡真司監督。1年目は5位で終了。今季最終戦後、来季の逆襲をファンに誓った。

 最終戦は、今季先発ローテを1年間守ってきた九里亜蓮が先発。9回を1人で投げ切り3失点、最終回には、今季復活を果たした堂林翔太が2点タイムリーを放つなど見せ場をつくったが逆転はならず。2対3で敗れ、52勝56敗(12分け)の借金4で今シーズンの戦いを終えた。

 カープ一筋23年の佐々岡真司氏を新監督に迎え挑んだ球団創立70周年の記念シーズン。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、開幕が6月19日になるなど、誰も経験したことがない一年となった。それでもDeNAとの開幕戦は、エース大瀬良大地が完投勝利を飾るなど、佐々岡監督が掲げる「守り勝つカープの野球」で快勝した。

 しかし、開幕3戦目。クローザーに抜擢したスコットが打ち込まれ、逆転サヨナラ負け。開幕前から指摘されていたリリーフ陣容の不安定さが、開幕カードから露呈する結果となった。そして、その不安は解消されることなくシーズンが進み、7月は7勝15敗(3分け)と大きく負け越し。試合終盤を任されるリリーフ陣が打ち込まれる試合が目立った。

 課題だった勝利の方程式に、塹江敦哉とフランスアが定着してきた8月は12勝12敗(2分け)の五分の戦いをみせるも、大瀬良が手術で離脱した9月は、9勝15敗(2分)と負け越し、優勝争いから脱落。得点を奪うもリードを守りきれない、投打の歯車が噛み合わない戦いが続いた。それでも10月・11月は投手陣が安定。森下暢仁、遠藤淳志、中村祐太など、若い力の活躍もあり19勝11敗(4分け)。後半の戦いぶりは、来季への期待を十分抱かせるものだった。

 チームはBクラスに終わったが、ルーキー森下暢仁が10勝&防御率1点台、菊池涼介が二塁手として両リーグ初となるシーズン守備率10割、鈴木誠也が球団初となる『5年連続打率3割』を達成するなど、明るいニュースは少なくない。

「今年は新型コロナウイルスの影響で今まで経験したことのないシーズンでした。この状況の中、死力を尽くしてくださった医療従事者のみなさん、そして多くの関係者のみなさん、本当にありがとうございました。改めましてファンのみなさんの声援に支えられているんだなと感じた1年でもありました。そんなファンのみなさんのご期待に応えられず、本当に申し訳ありません。 この悔しさをバネに、来年はチーム一丸となって優勝目指して頑張ります。 また、来シーズンも温かいご声援をよろしくお願いします。1年間本当にありがとうございました」

 シーズン最終戦、全国のカープファンに対して力強く語った佐々岡監督。来季こそは、リーグ優勝、そして悲願の日本一へ。今季の悔しい経験を糧に『一体感』をもって歩みを続けていく。