オリックス・ブルーウェーブ(現オリックス・バファローズ)、MLBワシントン・ナショナルズのトレーナーを務め、メジャー時代は「マック(高島の愛称)はゴッドハンドを持っている」と高い評価を得たトレーナー・高島誠。この連載では、数々のプロ野球選手を指導してきた経験をもとに、これまで公では語られることのなかった、マック流・野球パフォーマンスアップの秘密を披露していく。

 

◆「ととのう」瞬間をもたらす、サウナの正しい入り方

 野球専門のトレーニングジム「Mac’s Trainer Room」代表の高島誠です。『Mac高島の超野球塾』の連載をご覧いただき、ありがとうございます。

 前回のコラムでは、オフシーズンのリカバリーの重要性を説明しました。そのリカバリーの一環として、僕のジムでは、「サウナ」も積極的に活用しており、僕自身も“サウナ・スパプロフェッショナル”の資格を持っています。トレーニングとサウナの親和性を感じてもらうため、今回は、サウナの魅力について紹介します。

 疲労をとるうえでサウナにはたくさんのメリットがあります。そのためにはサウナを正しく利用する必要があります。サウナに限らず、すべてのことに言えることですが、使い方を間違えたら大きな効果を得ることはできません。

 サウナは、『サウナ室→水風呂→休憩(外気浴)』の3つのステップが基本となります。

 サウナと聞くと、サウナ室と水風呂のイメージがあるかもしれませんが、外気浴での休憩も大事な要素です。では、それぞれどれくらいの時間を使えば効果的かをお話します。

 まずは最初のステップのサウナ室。ここで過ごす時間の目安は6分~12分。次の水風呂は30秒~2分。水風呂は長くても2分で区切ることをオススメします。最後の休憩(外気浴)は、5分~10分。これで1セットです。

 この時間配分が、サウナ・スパプロフェッショナルの資格を持つ僕が提案する「サウナの正しい入り方」です。サウナ室→水風呂→休憩(外気浴)のサイクルを何セットか続けることで、“ととのう”瞬間が訪れます。

 “ととのう”とは、サウナ用語です。正しくサウナを利用することで、血液が体を、酸素が脳を駆け巡り、心身が調和されます。その結果、五感が冴え、疲労がとれ、雑念が消えて深いリラックス感を得ることができます。

 この時の究極の快感を“ととのう”と呼びます。何ものにも代え難い快感を味わうことができるのですが、それを理解していただくには実際に体感してもらうのが一番の近道かと思います。ぜひ、最寄りのサウナで上記のサイクルを繰り返し、“ととのう”を味わってみてください。きっと世界が変わります。

 ちなみに、各ステップで時間を固定していないのは、自分に最も適した時間を見つけたり、季節によって時間を変えるなど、振れ幅も楽しんでほしいからです。

 たとえば『冬の季節は、体がポカポカになるまでサウナ室に長めに入ろう』『1セット目でしっかり体が温まったから、2セット目のサウナ室は少し短くしておこう』など、提示している時間内で、心と体が心地よいと感じるように調整してみてください。また、外気浴だと寒さが気になるという方は、銭湯内の椅子でもOKです。ぜひ、何度も利用して、自分だけの楽しみ方を見つけてみてください。