◆通算2092個目の三振はカープの金本

 優勝決定は、10月6日ナゴヤ球場での中日戦だった。

 抑えとして8回裏2アウトから登板した私は9回裏も無失点に抑え、プロ16年目で初の胴上げ投手を体験した。日本シリーズではイチローを擁するオリックスに1勝4敗と完敗したが、私として自信になったのはイチローにヒットを打たせなかった事である。

 カープでの14年間をベースに、巨人での経験が上積みされ、私の中で先発・リリーフ両方での『投手理論』が出来上がりつつあった。

 しかし翌年の1997年、プロ入り17年目にして初めて肩に異変を感じた。私は現在で言うルーズショルダーと呼ばれる状態になっていたようだ。文字通り肩の内部が何かルーズな感じで、投げても肩の中で筋肉が動くような気がするのだ。「肩ってこんなに痛いんだ」というのがしみじみとわかった。

 1998年になっても痛みは癒えず、同時に体力的な衰えも徐々に忍び寄ってきて、精神的にも辛かった。私は「もう終わりだな」と遂に引退を決意。巨人に在籍したのはわずか4年間だったが、球団は東京ドーム最終戦となるカープ戦で引退試合を催してくれた。私は最後の打者・金本知憲から空振りで通算2092個目の三振を奪い、18年間の現役生活を終えた。

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