2月14日、カープの若武者・田村俊介が一軍出場わずか10試合ながらも侍ジャパンに選出された。チームは主軸打者である西川龍馬がオリックスへFA移籍し、外野ポジション争いが激化。現在、その1枠を狙って田村は連日必死のアピールを続けている。

 ここでは田村がプロ1年目当時の独占インタビューを改めて振り返る。名門・愛工大名電高時代はでエースとして活躍し、打っては高校通算32本塁打を放つなど、左利きの二刀流としても話題を呼んだ。プロの世界では外野手として勝負する注目の二十歳が、プロ入り直後に語っていたこととは?

侍ジャパンに選出されたカープ田村俊介選手

◆スイングの早さに自信がある

─中学から親元を離れ寮生活をされています。中学・高校と一人暮らしを経験したことで、学んだことや得たものはありましたか?

「野球だけでなく、掃除や洗濯なども全て自分でやらなければいけないので大変でした。それだけに寮生活を通して、親のありがたさを感じることができました。野球をはじめた時から目標はプロ入りで、そのために野球に打ち込んできたので、カープに選んでいただき、うれしさとほっとした気持ちでいっぱいです」

─愛工大名電高にはイチロー(元マリナーズなど)さんをはじめ、数々の名選手を指導された倉野光生監督がおられます。

「監督には常日頃から、『3年生で引退ではない。次のステージでも即戦力で活躍できるように』と言われてきました。なので、カープでも即戦力としてプレーできるよう、指名後もしっかりと練習を続けてきました」

─担当の松本スカウトは「バットコントロールが良く、西川龍馬二世になれる存在」だとコメントされていました。

「打席ではコース・場面に応じた打撃を意識していますし、アウトコース、インコースを広角に打ち分けるのは得意にしている部分です。また、そういった打撃を実践できるようにスイングスピードを磨いてきました。それだけにスイングの早さにも自信があります」

─目標にしている打者はいますか?

「小さい頃から筒香(嘉智・パイレーツ)選手のようなバッターになりたいと思ってきました。筒香選手は内角は豪快に引っ張り、外角は逆方向に長打を放つ打者なので、ずっと筒香選手をイメージして練習してきました」

─高校通算で32本塁打。印象に残っている本塁打を教えてください。

「一つは昨年の初打席で、同学年の中京大中京高の畔柳(亨丞・日本ハムドラフト5位)投手から右中間にライナーで放った本塁打です。もう一つは昨年最後の打席となった夏の甲子園での本塁打です。最初と最後が本塁打だったという点で印象に残っています」

─投手としても結果を残しています。二刀流で挑戦したい思いもあったのでは?

「中学校までは野手がメインで高校から本格的に投手を始めました。一年生の夏に、奥川(恭伸・ヤクルト)投手と対戦し、投げ勝ったことで自信が生まれ、その自信が日々の練習につながっていきました。球団から、投手・野手のどちらをやれと言われてもできるように準備だけしておこうと思っています」

─ファンのみなさんも可能性を秘めた田村選手の活躍を楽しみに待っています。

「カープは熱いファンの方々が多く、ファンと選手が一体となって戦っているイメージがあります。そんなファンの方々を魅了する全力プレーをしていきたいと思っています」