毎年行われるプロ野球ドラフト会議。プロ志望届を出した者のうち、支配下として指名を受けプロの世界へ飛び込むことができる選手は一握りだ。育成指名を受けた選手たちは、まずは支配下登録を勝ち取るために二軍で必死に汗を流す。「3年で一区切り」と言われるように、育成選手が置かれる環境は非常にシビアだ。

昨シーズンは一軍で代打打率.333と高い数字を残した前川

 福井の名門、敦賀気比高から2021年育成ドラフト2位でカープに入団した前川誠太も、支配下登録を目指し必死にバットを振ってきた。

「育成選手は与えられた期限が決まっています。もちろん焦りはありました。2024年オフに一度戦力外になって、そこから再契約を結んでいただいたときも『チャンスはあと1年』と思っていました」

 背水の陣で迎えた2025年シーズン、前川は二軍で結果を残し続け、支配下登録の声がかかったのは、登録期限ぎりぎりの7月末だった。背番号は『93』となり、支配下1年目にして一軍28試合に出場機会を得た。

 支配下となって迎えた2年目のシーズン。開幕前にアピールできず、前川は開幕二軍スタートとなっていた。

「目標にしていたのは開幕一軍だったので、そこを逃してしまったことはすごく心残りがあります。切り替えて、これからすぐにでも一軍に上がれるように結果を出していきたいです」

 その言葉の通り、4月29日に今季初の出場選手登録を果たす。二軍では3本塁打、打率.282をマークするなど、バットで猛アピールを続けた末の一軍昇格だった。

「具体的な目標というより……打撃も守備も、とにかく残せる数字は『高ければ高いほど』と思っています」

 育成から這い上がったからこその『負けたくない』という強い気持ちは、支配下となったいまも前川のなかで燃えている。

■前川誠太(まえかわ・せいた)
内野手
2003年4月4日生、京都府出身
176cm、66kg
右投右打
敦賀気比高-広島(2021年育成ドラフト2位)

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