育成選手としての苦しさ、一度は味わった戦力外の悔しさを乗り越えて、今季、プロ4年目にしてついに支配下登録を勝ち取ったカープ・名原典彦。5月21日以降は背番号『92』を背負い、代名詞となった『気合と根性』で一軍に定着すると、存在感を示し続けた。

 まさに激動のシーズンとなった2026年、名原が感じていた自身の変化とは。そして、特別な思いを持って臨んだという、忘れられない試合を振り返る。(全3回/第1回)

今シーズン支配下登録となった名原典彦。『気合いと根性』は代名詞となった

◆記憶に残っているのは、『ダメなプレー』ばかり

―今年プロ4年目ですが、名原選手にとってはいろいろな出来事が起こっています。ここまでご自身のプレーを振り返ってみて、どういう印象を持たれていますか?

 「やっぱり、一軍は二軍では経験できない緊張感がありますね。自分らしさが出たプレーもあったと思いますし、逆にその空気に押されて、良いプレーができなかった……ということもあります。全て一生懸命、全力でプレーをしていますが、全力でやる中にも、一つ冷静になるところがあっても良かったのではないか、とすごく思いますね」

—5月に一軍に初めて昇格して試合出場を重ねる中で、名原選手の中にもいろいろな変化があったのですね。

 「良いプレーはあまり記憶に残っていなくて、どちらかというと、ダメなことがすごく頭に残るタイプなんです。交流戦のときでいうと、ロッテ戦での守備、あとはベルーナドームでの西武戦でワンバンの速い打球を逸らしてしまった……神宮でのヤクルト戦でレフトフライを捕れなかった……全て一生懸命にやっていても、そんな焦らなくて良いところで大体やってしまっていたなと……」

—どのように切り替えているのですか?

 「僕は特別なことをあまりやっていないですね。試合が終わって考えて、映像を見てまた考えて。どうしてできなかったかを振り返って自己分析しています」