2026年シーズン、ナ・リーグ西地区を2位で終えたシカゴ・カブス。在籍5年目を迎えた鈴木誠也は143試合に出場し545打数147安打86打点、本塁打はMLB自己最多となった2025年(32本)に次ぐ、26本をマークした。

 その鈴木が今シーズン、ノミネートされているのが、『2026年 ゴールドグラブ賞』だ。ナ・リーグ右翼手部門で最終候補に選出されており、受賞が決まれば日本人選手としてはイチロー以来の快挙となる。受賞者の発表は現地時間11月1日の予定だ。

 その鈴木が海外挑戦を強く意識するようになったきっかけのひとつが、2017年に初出場を果たしたWBCだ。ここでは、初の大舞台を戦い抜いた鈴木がWBCを振り返って語ったインタビューを再編集してお届けする。

カープ時代、マツダ スタジアムのロッカールームでインタビューに応じる鈴木誠也

◆海外での試合や、海外の生活を経験できたWBC初選出

─(2017年シーズンの)開幕前はWBC日本代表に選出され、世界を相手にする大きな戦いがありました。鈴木選手にとって、この経験はどのようなものになりましたか?

「日本でしかプレーをしたことがなかったですし、海外に行って試合をする、また海外での生活などいろいろ経験する事ができました。僕の中で一つひとつ考え方が変わりましたね」

─WBCで緊張感がある戦いの後、レギュラーシーズンに入るにあたって、モチベーションとしてはどのようなものでしたか?

「僕はWBCに出場する楽しみの方が大きかったですし、WBCの後シーズンに入ることについて不安はありませんでした。やはり長く続くシーズンよりも、一発勝負のWBCでの緊張感は一味違うものだと思いました。それだけに『シーズンに入るのが難しいのではないか? 疲れるんじゃないか?』と思う部分も多少あったのですが、特にそんなこともありませんでした」

─カープでは、4月後半から『4番・スタメン』での出場が続いています。プレーする上で、意識に変化はありましたか?

「試合の大事な場面で打席が回ってきて、打てずに負けた試合が何度も重なってくると、『キツいな』とか『4番って難しいな』と思ってきて、少しずつ怖さも出てきたり……今までにない感覚があります。4番に入ってチームの勝利、責任ということが自分に伸し掛かってきて、なかなか思うような結果が残せなくなってきたと思います。その状況で試合に負けたりしていると『やっぱり昨季だけか』という声も聞こえてきたり、チームの勝利への責任、どちらも自分に重なってくる感覚があります」

─4番打者として出場が続く中で、これまでになかった葛藤もあるのでしょうか?

「そうですね。『結果も出したいし、チームの勝利にも貢献したい。自分が打たなくても1点入れたい。でもそれでは自分の成績が落ちてしまう』。そんな風にいろんな事を思いながら『どっちを取ったら良いのか?』と考えてしまいますし……難しいですね。別に自分の成績を残さないでチームに貢献しようと思えば、いくらでもできるかもしれないですけど、それだけでは良くありません。やはり自分の中でも良い成績を残していきたいと思う部分があるので……。正直、いろいろとすごく葛藤しています」

─4番打者として、これまで以上に長打を期待される場面もあるかと思います。

「もともと僕は長打ばかりを打つ打者ではないと思っているのですが、昨季本塁打が多かったこともあって、今季は長打を求められる部分があります。自分の中では『ちょっと違うんだよな』と思いながら、どっちを求めていけば良いのかなと……。『自分が打つべきなのは長打なのか? 野手の間を抜く中距離打者なのか? 僕はどっちを打てば良いのか? チームはどちらを求めているのか?』と、そういう難しさも感じています」​

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