来シーズンからの任意導入が発表されている『ピッチコム』。主に捕手と投手が使用する機器で、球種(サイン)を音声で伝達することができる。捕手が身につけた発信器を通してサインを送り、投手や一部の野手は帽子などに到着した受信器で指示を受ける。MLBやWBCではすでに導入されており、サイン盗みの防止や、サイン交換にかかる時間の短縮にも効果があるとされている。

 時代に合わせて、試合に導入される機器類も進化を続けている。ここでは、あらゆる機器を用いて選手を支える『アナリスト』の役割に注目したい。

 ここでは、現役時代はリリーフとして活躍し、現在はアナリストとして選手をサポートする一岡竜司氏が、現場で取り入れている機器について、そしてアナリストという仕事への思いを語ってくれた記事を振り返る。(『広島アスリートマガジン』2024年8月号掲載記事を再編集)

アナリストとして選手を支える市岡氏。日々進化するデバイスをうまく取り入れているという

◆選手時代の感覚を大事にしながら、数字で選手をサポート

 アナリストの仕事は、練習や試合で見えてくる選手たちの数字を収集して分析することです。調子の悪い選手がいれば数字を元にわかりやすく説明し、良いときの数値に戻していきます。例えば投手であれば、「なぜ打たれたか?」の原因が分からずやみくもに修正するよりも、〝こういう数値が悪いから、結果が残っていない〟と理解したほうが、「どこをどう修正するべきか」の判断材料が増えますからね。

 僕たちアナリストにとって、欠かせない器具がいくつかあります。

 試合中は『ホークアイ』です。これは球場にカメラが設置されていて、打球速度、打球角度、打球方向の割合、投手が投げた投球の変化量などが分かる器具です。

 そして練習中は『ラプソード』を使用していて、投手であればマウンドプレートとホームベースの間にラプソードを置き、カメラで縫い目を判断して回転数・変化量を測ります。逆に打者であれば、打撃専用のラプソードを使用して数値を収集します。

 また『ブラスト』というバットのグリップエンドにつける器具でスイングスピード、バットの角度を測ります。『アイピッチ』という投手のリリースの高さとスピード、回転数、回転方向を入力したら、その投手の軌道を再現できるマシンもあります。僕らは普段、これらの器具を駆使しながら、打者・投手のいろいろな数値を収集・分析しています。

 現役時代はアナリストの飯田(哲矢・元カープ投手)くんがいろんな数字を提示してくれるのを見て、面白そうな仕事だと思っていました。いま、アナリストの立場から現役時代の自分の数字を改めて見てみると、面白いなと感じることもありますね。

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