栗林良吏が開幕から12試合連続無失点と、圧巻の投球を披露し続けている。ルーキー初登板からの無失点記録は、ソフトバンクの甲斐野央が2019年にマークした13試合。抜群の安定感で、プロ野球記録に王手をかけている。ここでは新守護神としてチームの勝利に貢献する、ドラ1右腕の声をお届けする。

抜群の安定感でセーブを積み重ねている栗林良吏投手。

─社会人野球のトヨタ自動車からカープに入団して約4カ月が過ぎました。ここまでを振り返ってみていかがですか?

「新人合同自主トレが行われた1月から、ある程度自分のペースで調整させていただきました。また、春季キャンプに入ってからもいろんな人に支えてもらいながらしっかりと調整できたので、無事に開幕を迎えられ、良いスタートを切れていると思っています。いま振り返ってみて思うのは、監督やコーチ、トレーナーさん、そしてチームメートのおかげで、こうやって良い時間を過ごすことができていると感じています。恩返ししていくためにもしっかり投げていきたいです」

─新人選手の場合、キャンプやオープン戦でアピールをしないといけないぶん、春先くらいに疲れが出やすいと聞きますが、そこはいかがですか?

「体の疲れは多少あるのかもしれませんが、心の疲れは全くありません。シーズンが始まった以上、疲れたから力が出せませんというのは良くないですし、疲れたときにどれだけ結果が残せるかが大事だと思います。そのためにキャンプからトレーニングを積み重ねてきました」

─春季キャンプはどんなテーマをもって臨まれましたか?

「基本的なことかもしれませんが、ケガをせず1年間戦うための体をつくることを重点的に考えてやってきました。あとはコミュニケーションの部分です。先輩方と会話を重ねることを意識しました」

─先輩投手と過ごしたことで、多くのことを吸収できたのではないですか?

「そうですね。大瀬良(大地)さんと森下(暢仁)にはカットボール、永川投手コーチと横山投手コーチからはフォークボールの投げ方や使い方、投げる時の意識の仕方などを教えてもらいました。この他にもたくさんの方からいろいろなアドバイスをいただきました」

─カットボールはシーズンに入ってからよく投げられています。アドバイスを聞いたことで、どんな部分が良くなったと感じていますか?

「球の軌道でイメージしているのは、真っ直ぐに近い曲がりをする大瀬良さんや森下のカットボールです。この球を自分のものにできれば投球の幅が広がると思ったので教えてもらいました。しっかりと投げ切ることができれば、打者の手元で曲がるイメージ通りの球になりますが、球数が多くなってきたり、投げ急ぐとスライダーに近い曲がりのカットボールになることもあります。ただ、イメージする球は多くなってきたので、徐々に良くなっているのかなと思います」