◆春季キャンプは別メニュー調整

 ところが、10月21日の阪神戦で死球を受けて右腓骨を骨折。無念の長期離脱となった。一軍で13試合に出場し11安打を放っていただけに、このアクシデントがなければ、さらに多くの安打を記録していた可能性が高い。

 そこから宇草は、はやる気持ちを抑えながら懸命にリハビリに取り組んだ。しかし、右足は完治せず春季キャンプでは別メニュー調整を余儀なくされた。当時のコメントに、宇草の心の葛藤がよく表れている。

「(手術以降)毎日“早くくっつけ”と願いながら、リハビリを続けてきました。キャンプでもみんなが思い切って野球をやっているなか、僕はまだリハビリ段階。思うようにできていないもどかしさはありますが、できることに集中して、早く治ってくれと願いながら練習しています」

 同期の森下が順調にエースへの階段を駆け上がるなか、宇草が約1カ月遅れで実戦の舞台に戻ってきた。内野手登録の羽月隆太郎が加わることで外野のポジション争いは激化の一途を辿っているが、持ち味の俊足巧打で再び一軍の切符を勝ち取ってみせる。