◆番外編、屈辱のメークドラマ

 1996年は三村監督が二軍監督時代から手塩にかけて育てた緒方孝市、金本知憲らが独り立ちし、完全にレギュラーの座を獲得。野村謙二郎、江藤、前田智徳、ルイス・ロペスらを擁する“ビッグレッドマシン”打線は、12球団一の破壊力を誇った。

 投手陣も紀藤真琴を軸に、山内泰幸、大野豊らが奮闘。佐々岡真司を抑えに配置転換するなど、投打ともに戦力は充実していた。それを表すように前半戦は2位・中日に8ゲーム、3位・巨人に11.5ゲーム差をつけるなど、着々と独走態勢を築き上げていた。

 ところが8月以降は4番の江藤が離脱、投手陣も状態を落とすなどして完全に失速。最終的にはカープ、巨人、中日との三つ巴の争いとなり、最終的には巨人に“メークドラマ”を許す形で、カープは6ゲーム差の3位でシーズンを終えることとなった。