二軍で鍛錬を積むカープ・矢野雅哉選手。

 カープ二軍の本拠地・由宇球場で、ドラフト6位入団の矢野雅哉が懸命に汗を流している。名門の亜細亜大で鍛え上げられた守備力と強肩を生かしたショートの守備は、一軍でも十分通用するところを見せたが、課題と言われた打撃を鍛えるために、二軍で実戦経験を積んでいる。

「二軍に来た頃に比べたらだいぶ力がついてきましたし、相手投手に対してしっかりと対応できているので、少しずつ成長はしているのかなと思います。意識しているのは打席での粘り。追い込まれてもいかに打球を前に飛ばすことができるかを強く意識しています」

 打席での意識と共に、矢野が数字で意識しているのは出塁率。打率は2割前半ながらも、出塁率は.333を残し、打席でのしぶとさをアピールしている。またチーム2位の24四球も光る。

「投手に対応できなければ四球さえ奪えないと思うので、とにかく打席で粘り、投手に球数を投げさせて、四球ででも塁に出て後続につなげられるように取り組んでいます」

 走ってはチーム2位の7盗塁を記録するなど、走塁面でも高い意識を持ち試合に臨んでいる。

「塁に出たら、盗塁は毎球狙っています。あと、今は二盗よりも三盗を狙うように心がけています。赤松(真人)コーチ(二軍外野守備・走塁コーチ)から、『アウトになってもいいから、どんなタイミングで走れば三盗が成功するか覚えられるように積極的に仕掛けなさい』と言われています。赤松コーチから指導を受け、走り方自体は変わっていませんが、“次の塁を狙う”姿勢の部分は大きく変わったと思っています」

 即戦力と言われた守備力に加え、新たな武器を身につけつつある矢野。暑い日々が続く由宇球場でさまざまな経験を積む新人野手が、どんな成長をみせてくれるか楽しみに見守りたい(数字はすべて8月3日時点)。