一軍での活躍が期待されるカープ選手の2021年の声をお届けする蔵出しインタビュー企画。今回取り上げるのは、防御率0点台を誇るカープの守護神・栗林良吏。2021年4月に行ったインタビューから、プロ初登板の試合を振り返る。(広島アスリートマガジン2021年5月号で行ったインタビューをもとに編集)

カープの守護神として活躍し、新人王の期待もかかる栗林良吏投手。

◆カープファンの大きな拍手が緊張を吹き飛ばしてくれた

─開幕2戦目の3月27日の中日戦(マツダスタジアム)で、守護神としてのプロ初登板が巡ってきました。張り詰めた空気のなか、相手打線を三者凡退に抑えてプロ初セーブをマーク。最高の結果と共にプロ野球選手としてのスタートを切りました。

「もちろん緊張もありましたが、投球練習を終えてブルペンを後にするとき、永川投手コーチを含めて、リリーフのみなさんが激励の拍手と共に見送ってくれたことに勇気をもらい、グラウンドに入ると、カープファンのみなさんの大きな拍手が待っていました。その拍手の音を聞くと不思議と緊張はなくなり、“よし、やってやろう”と前向きな気持ちになることができました。そういう意味では、1人の力ではなく、たくさんの人に支えられてグラウンドに立たせてもらっているんだなと感じました」

─グラウンドに出ると白線の前で立ち止まりお辞儀をする姿。そして投球の際、マウンドで吠える姿が印象的です。

「大学、社会人とやってきた自分のスタイルなので、それはカープの一員になってからも変えずにやっていきたいと思っています」

─お辞儀をするときは、心の中でどんな言葉を言われているのですか?

「“お願いします。抑えさせてください”と神頼みをしています」

─ちなみに栗林投手は験担ぎはするタイプですか?

「験担ぎはけっこうするほうですね。あと登板に向けたルーティンも多いほうだと思います。社会人の頃は数えたら止まらなくなるほどありました。プロに入ってからだんだんと減ってきていますが、それでも10〜15くらいはありますね」

─今季の目標を教えてください。

「キャンプが始まるまでは、開幕一軍に入り、1年間一軍でプレーすることが目標でしたが、いまは、1年間しっかりと守護神としてやっていく目標を加えています。そういう意味では、良いスタートが切れたと思いますし、1年間しっかりと結果を残していくために、体のコンディションを含めてしっかりと調整していきたいと思います」

─最後にファンのみなさんにメッセージをお願いします。

「オープン戦から感じていたことですが、ピンチの場面でボールが続くとファンのみなさんが拍手を届けてくださり、その音は、マウンドで投げる自分の背中を押してくれました。当然力になりましたし、この先もずっと、拍手を送ってもらえる選手でありたいなと思いました。応援してくださるカープファンのみなさんに喜んでもらえるように自分の役目を全うしていきたいですし、感謝の気持ちを忘れずにプレーしていきたいですね」

◆プロフィール
栗林良吏 20
■くりばやし・りょうじ ■1996年7月9日生(25歳)■178cm/83kg   
■右投右打/投手 ■愛知県出身 ■愛知黎明高-名城大-トヨタ自動車-広島(2020年ドラフト1位)