1950年にカープが創設され、70年以上の時が流れた。数々の輝かしい歴史、記録、成績にファンはいつの時にも一喜一憂し、そしてカープを我がチームのように応援し続けた。しかし、その栄光の影にひっそりと記されてきた「珍」記録・事件もまた、チームや選手に対する愛がより一層増す、とても味わい深いものなのだ。

【File05】石原慶幸も数々の迷プレーを残してきたカープの名捕手

◆【File05】迷捕手!? 石原慶幸の2ランスクイズは真似できない!

 ボールを見失い、足元の砂を掴んで一塁ランナーを牽制するなど、珍事に事欠かなかった石原は、スクイズの場面でもさすがの打席を見せたことがある。2017年5月14日の巨人戦において、一死二・三塁の場面で石原に出されたのはスクイズのサイン。しかし巨人バッテリーもこれを警戒して外したのだが、捕手が捕球し損ね『2ランスクイズ空振り』となった。

◆【File06】体を張ってパーフェクトを阻止!? ボールへ向かって行く強い意思⁉

 2018年から3年連続二桁死球を受けるなど、會澤翼は厳しいコースを攻められても絶対に逃げない闘争心で打席に立つ。そんな會澤がルーキー時代の2007年、二軍戦で頭部死球を受け救急車で搬送されたことがある。相手はその日、9回二死までパーフェクトを演じていたサーパス(オリックス二軍)の近藤一樹。結果、記録は途絶え、近藤は危険球退場となった。

◆【File07】3点本塁打が2点に!? ベースは必ず、踏んだことを確認!

 長嶋茂雄が自身のベース踏み忘れで、新人トリプルスリーの大記録を逃した話は有名だが、カープにもベースを踏み忘れた選手がいる。1981年に助っ人として入団したガードナーは、7月19日の大洋戦で3ランを放った。しかし本塁を踏み忘れたため本塁打を認められず、三塁打として記録された。ベースの踏み忘れで本塁打を取り消されたのは史上3人だけだ。

【File08】現役当時は負けん気の強さで、強打者をねじ伏せるピッチングが人気だった安仁屋宗八

◆【File08】唯一無二の珍記録! レジェンドの捕手直飛

 トレードマークの白髭を蓄え、今や日本一のカープファンと慕われる安仁屋宗八を襲った、ピッチャーライナーが事の要因。1965年5月に行われた巨人戦で、巨人・滝安治が放った打球が安仁屋の右膝を直撃。大きく跳ね返ったボールはそのままキャッチャーのミットに収まった。記録はキャッチャーライナーという、そんなアホなという記録となった。

◆【File09】平均年齢33歳オーバーのスタメンでシーズン初勝利!

 新進気鋭の『タナキクマル』を擁し、6月上旬から首位を独走。25年ぶりのリーグ優勝を果たした2016年のカープ。この年の3月26日に行われた開幕2戦目は、黒田博樹が先発のマウンドに立ったが、この日の先発オーダーの平均年齢に着目すると33歳となり、 ベテラン陣の奮闘ぶりが伺える。ちなみに2023年4月1日の開幕2戦目の平均年齢は29歳だった。

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