11月12日に、『第53回三井ゴールデン・グラブ賞』の受賞者が発表された。カープからは、秋山翔吾(※パ・リーグで6度受賞。セ・リーグでの受賞は初)と矢野雅哉が初受賞した。
今シーズン、高い守備力で何度もチームの危機を救った矢野は、亜細亜大時代から高い守備力を武器にスカウトの注目を集めていた。ここでは、ドラフト指名後の独占インタビューから、入団直前の矢野の言葉を再編集してお届けする。(『広島アスリートマガジン2021年1月号』に掲載)
◆入団前から守備力には定評あり。見せていた大器の片鱗
─指名時の率直な思いを教えてください。
「12球団のうちどこかから、5位までに指名があるのではないかと思っていました。ただ指名されず、今回指名はないかと諦めかけていたんです。そんな矢先、カープから指名され、とにかく感謝の気持ちでいっぱいでした」
─亜細亜大で主将を任されたことも、成長につながったと感じていますか?
「そうですね。コロナの影響で大会が中止になるなど厳しい環境だっただけに、例年以上に、主将としてチームを引っ張ることの大切さを学ばさせてもらったと思っています。言葉も大切ですが、意識したのは行動。先行きが不安な中でも、しっかり練習している姿を見せ、チームの士気を高めることを心がけてきました」
─プロでアピールしたいポイントを教えてください。
「自分の長所は守備。なかでも肩が一番の武器なので、三遊間の深いところからでもアウトにできる守備範囲の広さと肩でアピールしていきたいです。守備で大切にしているのは、どんな形でもアウトを奪うこと。そのために肩とスローイングを安定させることを意識しています」
─大学では本塁から遠投してバックスクリーンに当てたことがあると聞きました。
「3年の春の出来事ですね。肩の調子が良かったので、自主練習の時間にちょっと試してみたんです。するとバックスクリーンまで届き、さらにその遠投をカープの松本(有史)スカウトが見てくださっていたようです。こういった遠投の練習は、この日以来やっていないので、松本さんに見てもらえたことは、本当に偶然の産物ですね」
─いつからショートを守っていますか?
「中学2年の秋からです。小学校は投手、中学では捕手をやっていました。打者のスイングや投手が投げる球種から、打球がどこに飛んでくるのかを、ある程度、予測できるようになったのは捕手をやらせてもらった経験のおかげだと感じています」
─打撃でアピールしたいポイントは?
「こだわりたいのは出塁率です。バントも含めて小技ができる巧打者を目指したいですね。目標にしているのは阪神などで活躍された平野(恵一)さん。ガッツ溢れるプレーも大好きで、平野さんのようなシャープな打撃を身につけていきたいと思っています」
■矢野雅哉(やの・まさや)
1998年12月16日生、21歳/右投右打/171cm・72kg
育成高ー亜細亜大ー広島(2020年ドラフト6位)