カープのヘルメットが紺色から赤に変わり、『赤ヘル』と呼ばれるようになり50年の時が流れた。カープ坊やの登場も同じく50周年、そしてマスコット・スラィリーは登場30年・・と、数々の節目を迎えるカープ。ここまでの輝かしい歴史のなかには、記録、成績、そして多くの逸話が生まれた。ここでは、その栄光の影にひっそりと記されてきた『珍』記録に目を向けてみる。

マツダ スタジアムでも、数々の『珍』記録が生まれた

◆他には真似のできない『奇跡の2ランスクイズ』

 ボールを見失い、足元の砂を掴んで一塁ランナーを牽制するなど、珍事に事欠かなかった石原慶幸(現カープ一軍バッテリーコーチ)は、スクイズの場面でもさすがの打席を見せたことがある。

 2017年5月14日の巨人戦において、一死二・三塁の場面で石原に出されたのはスクイズのサイン。しかし巨人バッテリーもこれを警戒して外したのだが、捕手が捕球し損ね『2ランスクイズ空振り』となった。

◆体を張ってパーフェクトを阻止!?

 2018年から3年連続二桁死球を受けるなど、會澤翼は厳しいコースを攻められても絶対に逃げない闘争心で打席に立つ。

 そんな會澤は、ルーキー時代の2007年、二軍戦で頭部死球を受け救急車で搬送されたことがある。

 相手はその日、9回二死までパーフェクトを演じていたサーパス(オリックス二軍)の近藤一樹。結果、記録は途絶え、近藤は危険球退場となった。

◆3点本塁打が2点に? 踏み忘れが生んだ悲劇

 長嶋茂雄が自身のベース踏み忘れで、新人トリプルスリーの大記録を逃した話は有名だが、カープにもベースを踏み忘れた選手がいる。

 1981年に助っ人として入団したガードナーは、7月19日の大洋戦で3ランを放った。しかし本塁を踏み忘れたため本塁打を認められず、三塁打として記録された。ベースの踏み忘れで本塁打を取り消されたのは史上3人だけだ。

◆唯一無二の珍記録!レジェンドの捕手直飛

 トレードマークの白髭を蓄え、今や日本一のカープファンと慕われる安仁屋宗八を襲った、ピッチャーライナーが事の発端。

 1965年5月に行われた巨人戦で、巨人・滝安治が放った打球が安仁屋の右膝を直撃。大きく跳ね返ったボールはそのままキャッチャーのミットに収まった。

 記録はキャッチャーライナーというまさかの珍記録となった。