6月27日、4月に85歳で逝去した、サンフレッチェ広島の初代総監督などを務め、日本サッカー界の発展に大きく貢献した今西和男さんを偲ぶ会が、エディオンピースウイング広島で行われた。ピッチ上には献花台が設けられ、午前は遺族や今西氏と親交の深かった関係者、午後は一般献花が行われ、多くの人が広島サッカーの礎を築いた"親父"との別れを惜しんだ。
今西氏は1941年広島市生まれ。東洋工業(現マツダ)蹴球部で活躍し、1966年には日本代表としてアジア競技大会に出場した。現役引退後は指導者、強化責任者としてチームづくりを担い、ハンス・オフト氏の招聘や風間八宏氏らの獲得、さらには現日本代表監督・森保一氏の才能を見出すなど、日本サッカー界における『元祖ゼネラルマネジャー(GM)』として数々の実績を残した。
Jリーグが発足した1992年にはサンフレッチェ広島の初代総監督に就任。育成、強化、スカウティングなど幅広い分野で手腕を発揮し、「サッカー選手である前に、良き社会人であれ」という言葉は、いまなおクラブの哲学として受け継がれている。1994年からは日本サッカー協会強化委員会副委員長なども歴任し、広島のみならず日本サッカー界全体の発展に尽力した。
『今西和男さんを偲ぶ会』では、サンフレッチェ広島・久保允誉会長が惜別の言葉を述べたほか、Jリーグ初代チェアマン・川淵三郎氏、日本代表監督・森保一氏からのビデオメッセージも上映された。
広島OBであり、今西氏から直接薫陶を受けた森山佳郎氏(現ベガルタ仙台監督)は、「いまでも元気にJリーグで監督をさせていただけているのは、今西さんとの出会いがあったからこそ。この世界に引き込んでいただいたこと、そして引き留めていただいたことには深く深く感謝しています。今西さんの『イズム』を継承した指導者たちが、それを選手やそれぞれのクラブへ伝え、日本サッカーの根幹を支えていければと思います」と感謝と決意を口にした。
また、現在はサンフレッチェ広島で育成に携わる森﨑和幸氏も、「『サッカー選手である前に良き社会人であれ』という教えは、今でも変わらず受け継いでいます。その意思を次の世代へどう伝えていくかが、僕たちの使命だと感じています。今西さんの教えを受け継ぎながら、さらに進化させていくことが恩返しになると思います」と語り、『今西イズム』の継承を誓った。
関係者のみで行われた午前の献花には約300人が参列。クラブ関係者や教え子、サッカー界の仲間たちが次々と花を手向け、日本サッカー界に残した今西氏の功績と、その人望の大きさを改めて感じさせる一日となった。

