2025年オフ、現役ドラフトでカープへ移籍した辰見鴻之介。「この1年で人生を変える」。そう覚悟して新たなシーズンに挑んだ。代走として結果を残し、セ・リーグ記録も更新。それでも満足はしていない。与えられた仕事に全力を尽くす、その先に見据えるものとは。(全3回/第1回)
◆育成の苦しさが、今の自分の力になっている
—2025年12月、現役ドラフトにより楽天からカープへと移籍しました。実際に移籍が決まった時はどのような感情を持たれていましたか?
「寂しさとか、そういう思いもありました。でも、一人の野球選手として一花咲かせるというか、そういうチャンスをもらえたという気持ちがありました」
—心機一転という気持ちだったのですね。
「そうですね。僕にとっては転機というか、人生を変えるような1年になるだろうと思っていますし、この1年で人生を変えよう、という気持ちでした。そういう覚悟を持って移籍してきました」
—楽天とカープでは、いろいろ違いもあると思います。
「もちろんチーム自体が違うので、いろいろ違う部分があると感じますが、それは違って当然だとも思っています」
—仙台と広島は都市の規模など、似ていると言われることもありますが、広島の街には慣れましたか?
「仙台と広島は……全然似てないですかね(笑)。広島での生活には、まだまだ慣れていないので、これからもっと馴染みたいと思います」
—広島の街の野球熱は感じますか?
「楽天の時はずっと二軍だったのであまり分からなかったのですが、広島に来てみて、やっぱり熱心というか、熱を持って応援していただいていると感じます」
—楽天時代は育成ドラフトで入団後、支配下登録、再び育成契約など、いろいろな経験をされてきました。それは今の辰見選手にどのようにつながっていますか?
「苦しい時もありましたし、情けないところもありました。でも、そういうことがあったからこそ、そういう感情を味わえたからこそ、今があると思っています。いろいろありましたけど、その全ての経験が自分を強くしてくれたと感じています」
—育成から支配下となって活躍する選手を見ると、どのような気持ちになりますか。
「育成選手はいろいろ言われますけど、やっぱり経験しないと、育成選手の気持ちというか、もがく感覚というのは分からないと思います。もちろん育成選手の中でも違いはあると思いますが、どこかしらみんな劣等感だとか、もがく感情があると思います。そういうところから這い上がってきた選手が活躍していると、自分のことのようにうれしいと感じることもありますし、刺激にもなります。そういう姿を見て、自分ももっと頑張らないといけないと思わされますね」
(第2回へ続く)
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