ー技術的には、何か変わったことがあったんですか。  

「それは特にないですね。キャンプのときからずっとやってきたことを、今もそのままやっています。僕の場合、技術よりも精神的な部分が大きいので、積極的に打って行ったら2安打できた。それで精神的に楽になれたことが大きかったと思います。ただ、そのとき、見た目ではほとんどわからないと思うんですが、バットをほんの少しだけ、長く持っているというイメージがないくらいほんのちょっとだけ長く持ったんです。指3本か4本分ほど短く持っていたバットを 、そこから気持ち分、だいたい0.5本分くらい長くしたんです。そうしたら感覚がかなり違ったというのはありますね」

ーそして現在の打率は2割8分前後です。これからどのような打撃をしていきたいと思っていますか。

「今は主に2番を打っていますが、これまでこの打順というのは経験したことがないので色々と難しい面もあります。ただ、そういそういう中で例えばバントならしっかりと送る、エンドランなら後ろに打つ人たちが楽に打てるようにランナーを進める、というようにきっちりと2番としての仕事をしていきたいと思います。それから、自分の打撃スタイルというのは積極的にどんどん打ちにいって、追い込まれたら粘るというものなんですが、それが今は追い込まれたら粘れず、あっさりと終わってしまうことがあります。その部分はもう少し改善していきたいですね」

=インタビュー後編へ続く=

《プロフィール》
梵 英心●そよぎ えいしん
1980年10月11日、広島県出身
2006年、日産自動車から即戦力ルーキーとしてカープに入団。2006年に新人王、2010年には盗塁王とゴールデングラブ賞(遊撃手部門)を受賞。2017年カープ退団後は、社会人野球を経て現在はオリックスの打撃コーチを務める。